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脳疾患を知る

4-5
白いプツプツ-大脳白質病変-

-大脳白質病変-

大脳白質病変とはなんでしょうか?「脳に白いプツプツしたものがあると言われた」などと耳にする事が多いです。確かにMRIのFLAIRという撮影条件では白いプツプツとして見られます。

 

-白質とは-

大脳は灰白質と白質に分かれます。大脳の表面は神経細胞が集まっており灰白質と呼ばれます。その奥に神経細胞からの命令を伝える神経線維が束となって走行している大脳白質があります。 以下の画像の白い線を描いた部位です。

-大脳白質病変とは-

MRIのFLAIRという撮影条件で白く散在する斑点として現れ、進行すると塊となって描出されます。以前は何を見ているかよくわかっていなかったことから,UBO(unidentified bright object)とも呼ばれたことがありました。今では慢性脳虚血性変化といいます。脳の血の巡りが悪くなり、脳の毛細血管に血液が流れず変化した部分と考えられています。長期間の高血圧や不十分な高血圧管理は、脳の細い動脈に動脈硬化をきたします。その結果、脳血管は弾力を失い、内腔は狭くなります。 そして血管から水分が漏れ出し、 白いプツプツとなるようです。難しい内容なので、私は外来では多少語弊がありますが「血流が100あったものが0になると脳細胞は死滅します。それが脳梗塞です。100あった血流が50になると脳細胞は死滅しませんが、元気がなくなります。それが白質病変と考えて下さい」と説明しています。ふだん何ら問題なく日常生活を送っている方の中にも大脳白質病変を高頻度に認めます。軽微なものならば年齢による変化として許容しますが、程度が強くなると認知機能の低下や脳血管疾患を発症するリスクが高くなるため進行抑制を真剣に考えないといけません。

 

-危険因子-

 

  • 最大の原因は高血圧です。

高血圧の状態が長く続くと、脳の細い動脈が動脈硬化をきたします。その結果、血管は弾力性を失い内腔が狭くなり、収縮がうまく出来ずに周囲の脳は栄養や酸素がうまく行き渡らずに力がなくなります。脳梗塞のように死滅はしていないのですが、血管から水が漏れ力が失われた状態です。これが大脳白質病変です。加齢性の変化としても考えられますが、進行した大脳白質病変は、認知症や脳卒中発症の高リスクであり、 進行の防止は重要です。日本脳卒中学会では「大脳白質病変は主に虚血性変化であり、特に高度な脳室周囲高信号域(PVH)を 有する例は脳卒中および認知機能障害発症の高リスク群であり、治療可能な危 険因子、特に高血圧症の積極的治療を考慮する(グレードB)。メタボリックシンドロームと血中総ホモシステインの高値を有する例は、大脳 白質病変発症の高リスク群であり、大脳白質病変の増悪防止と脳卒中の発症予 防上、その是正が望ましい(グレードC1)。」と記載されています。

 

-治療-

 

・厳格な高血圧の管理が重要です。

ラクナ梗塞、無症候性脳梗塞同様に厳格な高血圧管理が重要です。正常血圧120/80を目標として食事運動療法・塩分制限・降圧剤を用いて管理します。また他の高脂血症・糖尿病・過度の飲酒制限・禁煙も必要となります。

 

・抗血小板薬「血をサラサラにする薬」を使用する疾患ではありません。

血をサラサラにする抗血小板剤の有効性は確立されていません。もちろん大脳白質病変を認め、他の精査の結果、アテローム硬化性病変や心房細動が発見されれば抗血小板薬や抗凝固療法も行います。副作用としての出血傾向から脳出血などの合併症をきたすことがある抗血小板剤や抗凝固剤は他の合併症があれば慎重に使用しますが、大脳白質病変を理由には使用しません。

 

当院は静岡県伊豆半島に開院した脳神経外科専門医・眼科専門医・脳卒中専門医・頭痛専門医・認知症専門医が常勤しているクリニックとなります。一般的な眼科・脳神経外科・内科などの外来はもちろん、頭痛外来・もの忘れ外来・高血圧外来・生活習慣病外来などの専門外来も常時受け付けております。CT,MRIが完備されているため頭蓋内疾患は即日診断が可能です。眼科は白内障や眼瞼下垂、硝子体の手術を行っております。脳神経外科で手術が必要な場合は昭和大学脳神経外科、順天堂大学脳神経外科、その他ご希望の病院と提携し紹介させて頂いております。駿東郡・清水町・三島市・沼津市・長泉町・伊豆の国市・函南町・裾野市・熱海市・伊東市・伊豆市・小山町・箱根・真鶴・湯河原・小田原市などの方々から遠方の方々まで、気になることがございましたらいつでもご相談下さい。