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脳疾患を知る

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脳卒中とは

脳卒中とは

脳卒中とはなんでしょう?脳卒中、脳出血、脳梗塞、脳溢血、くも膜下出血など似たような言葉が並んでおり混乱を招く要因になっているかと思います。

 

脳卒中とは「脳の血管の病気の総称」

つまり 「脳梗塞」・「脳出血」・「くも膜下出血」 は全て脳卒中の一部と言うことです。

 

 

・「脳梗塞」

脳の血管が詰まって血が流れなくなり脳細胞が死滅

 

・「脳出血」

脳の血管が破けて脳内に出血

 

・「くも膜下出血」

脳の血管の動脈瘤というコブが破けて、くも膜の下に出血

 

 

これらは全て脳の血管が起因している疾患のため、全てをまとめて脳卒中と呼んでおります。更に脳梗塞は血管が詰まる原因から、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他の脳梗塞という臨床病型に分類されます。

 

 

脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血なにであろうが発症してしまうと重大な後遺症を残してしまいます。手足が自由に動かない半身麻痺・言葉が自由に操れない失語症・意識を正常に保てない意識障害。この状態になってしまうといくら二次予防を開始しようが失った機能が戻ることはありません。重要なことは脳卒中が発症する前に危険因子を取り除き、脳卒中を発症させないことです。では脳卒中を引き起こす原因はなにでしょうか?

脳卒中発症に大きく関わる危険因子は高血圧・脂質代謝異常・糖尿病・心房細動などの生活習慣病です。生活習慣病と言う言葉を耳にする機会が多いですが、生活習慣病の定義を厚生労働省のホームページで確認しますと『生活習慣が原因で起こる疾患の総称。重篤な疾患の要因となる』と記載されています。食事・運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。自身が気づかない間に身体を蝕み死亡に直結する病気になる事より、早い段階での予防に医療が積極的に介入すべき疾患です。

 

 

・暴飲暴食を繰り返してしまう
・過度の飲酒をしてしまう事がある
・運動の習慣がない
・睡眠が不規則で平日は睡眠不足・休日は過剰な睡眠
・喫煙

 

 

これらが生活習慣病を引き起こします。生活習慣病は高血圧・脂質代謝異常・糖尿病が代表ですが、脳卒中の原因となる圧倒的に多い因子が高血圧です。脳卒中の病型と影響する危険因子との関わりは、脳卒中の病型により異なります。脳卒中の中で、高血圧の関与が大きい病型は、脳出血とラクナ梗塞です。一方で、アテローム血栓性脳梗塞は、高血圧だけではなく、糖代謝異常や脂質代謝異常などが合わさって影響しています。心原性脳塞栓症の場合は、非弁膜症性心房細動が最も多い危険因子になります。

この章では脳卒中の各疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を解説し、その後生活習慣病について触れていきたいと思います。