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眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

7-1
概要ー複視ー

ものが二重に見える・複視

複視とは、物が上下、左右、あるいは斜めなどにダブって二つに見える状態のことをいいます。

たとえば道路のセンターラインが2本に見えたり、文字がダブって見えたりします。人はものを見るとき、ものを見ようと意識しなくても左右の眼が同じ方向を見ています。これは非常に微妙な目の動きを脳がコントロールするべく、眼を動かす筋肉に指令を出しています。脳から筋肉に指令を送っているのは、脳から直接出ている神経である動眼神経・外転神経・滑車神経が命令を伝えています。これらの神経が、左右の目を同時に同じ方向に寸分狂わず動かしているため、どの方向を向いても対象物が揃って見えます。このように左右両方の眼は無意識に共同運動を行い、左右の眼で見た像が一つに融合することによって、見たものが常にひとつに見えるのです。この両眼の動きのバランスが崩れると、ものが二重に見えてしまいます。それでは何故両眼の動きのバランスが崩れるのでしょうか?左右の眼の動きが一致しない理由には4つの問題が考えられます。

 

①脳:眼を動かす司令部である脳の問題

②脳神経:脳から眼筋に指令を送る神経の問題

③神経ー筋肉接合部:眼筋と神経との連絡の問題

④筋肉:眼を動かす筋肉の問題

となります。これらの神経は脳の一部である脳幹という部位から出て、後頭蓋窩という場所を通り、海綿静脈洞ー上眼窩裂ー眼窩先端部という部位から眼窩に入り各種眼球を動かす筋肉に分布します。何らかの理由によって、いずれかの神経の働きが悪くなると、左右の眼球の動きのバランスが悪くなり、物が二重に見えるようになります。脳神経外科が携わる複視は①と②の脳から神経の原因による複視となります。③と④の神経ー筋肉接合部や筋肉が原因の複視は神経内科や眼科が扱います。