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脳疾患を知る

3-1
眼瞼下垂

概要

眼瞼下垂とはその名前の通り、まぶたが垂れ下がってきて見にくくなる病気です。上まぶたがしっかりと上げられず、正面を向いた状態で瞼縁が瞳孔にかかった状態となります。まぶたが重い、見にくい、上方の視野がせまいという症状が現れます。さらにまぶたを挙上できないためにおでこの筋肉を使って瞼をあげようとすることによる眉毛挙上や、首を後ろに倒して見ようとする頸部後屈によって、頭痛や肩こりの原因となることもあります。また眠たそうな見た目になるため美容上の問題が生じます。眼瞼下垂には先天性眼瞼下垂、後天性眼瞼下垂、偽眼瞼下垂があります。

眼瞼下垂の種類

 

ー先天性眼瞼下垂ー

先天的に上眼瞼挙筋といって瞼を持ち上げる筋肉の発達異常や、その筋肉を支配する神経に異常をきたしている場合が多いです。生後より上まぶたが下がっているので診断できます。また先天性眼瞼下垂症は乱視(屈折異常)の原因となることがあります。乱視度がdiopter1.5 から2.0度以上になると弱視につながる可能性があるため、定期的な眼科的検査を行い、悪化を認める場合は手術を検討することが望ましいと言われますが、それ以外は基本的には経過観察となります。

 

ー後天性眼瞼下垂ー

先天性とは生まれつき認める眼瞼下垂に対して、後天性とはもともとは正常に開眼できていたのに、徐々にあるいは急に瞼が下がってきた状態です。開眼には2つの筋肉が関与しています。一つは上眼瞼挙筋、もうひとつはミュラー筋です。上眼瞼挙筋は動眼神経が、ミュラー筋は交感神経が支配しております。よって脳-脳幹-動眼神経-上眼瞼挙筋と脳-脊髄-肺尖部といって肺の上側-内頚動脈-ミュラー筋と2つの経路の過程に障害が生じた場合に眼瞼下垂を起こします。頻度が高いわけではありませんが、図のように様々な疾患が原因の可能性があり、CT・MRI・血液データからレントゲン撮影と様々な視点から原因を探らないと足下をすくわれる可能性があります。眼科単独で眼瞼下垂の原因を探らずに、神経眼科、神経内科、脳神経外科医などの神経の専門科が必要になります。一方で腱膜性眼瞼下垂は、上眼瞼挙筋が瞼板に付着する部分の腱膜がゆるむことで起き、最も頻度が高いです。原因は加齢性眼瞼下垂、外傷性眼瞼下垂、ハードコンタクトレンズの長期使用などがあります。

 

 

ー偽性眼瞼下垂症ー

一見、眼瞼下垂のように見えてしまい、“みかけの眼瞼下垂”とも言われています。原因として、眉が下がる眉毛下垂、まぶたの皮膚がゆるむ皮膚弛緩症、目のまわりの筋肉が痙攣する眼瞼痙攣、目がくぼんでいる眼球陥凹、反対と比べると目が小さい小眼球症、腫瘍などでまぶたが押されるなどが挙げられます。

眼瞼下垂によって起きる症状

 

①開瞼障害

「瞼の開きが悪い」「瞼が下がってきた」「瞼が重い」などです。

 

②肩こり

瞼が下がると顎を挙上して視界を得ようとします。その結果、筋肉の緊張が強くなり肩こりが強くなります。

 

③頭痛

肩こり同様に筋肉の過緊張から後頭部に頭痛が波及することがあります。

 

④他

睡眠障害やめまいなどを訴える方もいます。

眼瞼下垂の診断

眼瞼下垂の鑑別

後天性眼瞼下垂は図1の記した分類からも神経性・神経接合部性・筋性・占拠病巣・腱膜性といくつかのアプローチをしなければなりません。まず神経を専門とする医師は神経性・神経接合部性・筋性・占拠病巣を鑑別する必要があります。腱膜性眼瞼下垂は上記が否定される事が前提のために、鑑別せずに強引に手術を行うわけにはいきません。

(神経性)

先述したとおり開眼には2つの筋肉が関与しています。一つは上眼瞼挙筋、もうひとつはミュラー筋です。上眼瞼挙筋は動眼神経が、ミュラー筋は交感神経が支配しております。よって動眼神経の経路である脳-脳幹-動眼神経-上眼瞼挙筋と交感神経の経路である脳-脊髄-肺尖部といって肺の上側-内頚動脈-ミュラー筋と2つの神経の経路の途中過程に障害が生じた場合に眼瞼下垂を起こします。動眼神経麻痺であるならば、他の動眼神経麻痺としての症状(眼球運動障害や瞳孔異常)の確認が必要です。散瞳を伴えば内頚動脈ー後交通動脈動脈瘤、後大脳動脈ー上小脳動脈分岐部を含む脳底動脈先端部動脈瘤の確認が不可欠です。また動脈瘤による神経圧迫を認めない、動眼神経麻痺で発症したくも膜下出血の報告も認めるため注意が必要です。一方で縮瞳を伴っている場合はHorner症候群を考えなければなりません。Horner症候群による見かけ上の眼瞼下垂はミュラー筋の異常によっておこるため下眼瞼は上方にシフトします。よって眼球はやや陥凹し、患側の無汗症や顔色の紅潮を伴います。交感神経路障害のためにcilio-spinal-reflexが消失します。この場合は肺尖部の癌や転移性腫瘍、内頚動脈の解離を確認するため胸部CTや頚動脈エコーが必要となります。他の神経性眼瞼下垂は脳腫瘍・脳出血・脳梗塞・海綿静脈洞部腫瘍・眼窩先端部腫瘍・眼窩内腫瘍など異常な所見が存在しないか脳幹内の脳神経核から動眼神経走行ルートをMRIで確認します。多発性硬化症はMSプラークを、トロサハント症候群ならば海綿静脈洞の肉芽腫性炎症を・海綿静脈洞瘻は内頚動脈から海綿静脈洞内への流入や上眼静脈の拡張を、肥厚性硬膜炎ならば硬膜の造影効果を頭部MRIから確認すれば鑑別可能です。糖尿病は採血結果で鑑別可能です。Fisher症候群は発症前の感染の既往や瞳孔、眼瞼以外にも眼球運動障害およびIgG抗GQ1b抗体の存在で確認可能です。

(神経接合部性)

神経接合部性眼瞼下垂の代表疾患は重症筋無力症です。重症筋無力症の特徴は日内変動があり、朝方に比べて夕方に筋力が低下します。検査はice test(眼瞼を冷やして症状が軽快します)、テンシロン試験(エドロフォニウム10mg静脈注射後の筋力の改善を評価)、反復刺激試験(筋力低下を認める筋肉に電極刺激を行い、振幅の減少を確認)、抗アセチルコリンレセプター抗体の確認となります。ただし眼筋型の重症筋無力症では抗体陽性率が50%程度のため抗MuSK抗体を測定する場合もあります。Lambert-Eaton型筋無力症候群は、四肢近位筋の筋力低下を主徴とし、眼症状・自律神経症状・小脳失調の合併がある自己免疫機序が関与する傍腫瘍性症候群の1つで肺小細胞癌が多くハーベーマスランドテストでwaxingを認めます。

(筋性)

他の筋肉を含む場合には筋ジストロフィーや筋炎など全身性の筋疾患を考える必要があります。外眼筋ミオパチーの場合は特発性と甲状腺性を考える必要があります。また慢性進行性外眼筋麻痺はミトコンドリア脳筋症にしばしば見られ、その一病型名となっています。

(腱膜性)

上記の疾患が否定されれば腱膜性の眼瞼下垂と診断出来ます。中でもハードコンタクトレンズ眼瞼下垂はハードコンタクト歴10-15年の女性に多く、老人性眼瞼下垂に合併することもあり得ます。上眼瞼への機械的な刺激が結膜への慢性炎症となり腱膜、上眼瞼挙筋、ミュラー筋に線維化を生じさせるようです。

眼瞼下垂の治療

上述した神経性・神経接合部性・筋性の眼瞼下垂については各々の基礎疾患を治療しなければ眼瞼下垂は軽快しません。腱膜性眼瞼下垂に対しては挙筋腱前転術、ミュラー筋および瞼結膜切除術(経結膜的)は有効と言われています。また腱膜性眼瞼下垂症による後頭前頭筋収縮が原因である緊張型頭痛の治療に,眼瞼下垂症手術は有効であると言われています。当院では眼科専門医と脳神経外科専門医が所属しているため神経性・神経接合部性・筋性の眼瞼下垂については脳神経外科専門医が鑑別を行い、腱膜性眼瞼下垂に対しては眼瞼下垂手術を専門に行ってきた医師を招き外科的治療を行っています。

 

桑名眼科脳神経クリニック

当院は静岡県駿東郡清水町にあります眼科と脳神経外科・内科の複合クリニックです。眼科は一般眼科から日帰り白内障手術・硝子体手術・眼瞼手術まで幅広く診療し、脳神経外科・内科は頭痛、めまい、痺れ、麻痺、ふるえ、認知症、高血圧など生活習慣病、脳ドックまで幅広く診察致します。眼科専門医2名、脳神経外科専門医2名、脳卒中専門医1名、頭痛専門医1名、認知症専門医1名が勤務しております。眼科と脳神経科の複合クリニックのため即日の眼科検査から頭蓋内精査(CT・MRI等)が可能なため県内屈指の神経眼科対応クリニックです。JR東海道新幹三島駅からお車で10分、JR東海道線沼津駅よりタクシー16分の距離にございます。

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