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脳疾患を知る

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CT・MRI ー各々の役割ー

CT・MRIとは

脳神経外科の診療にはCT検査とMRI検査は欠かせません。脳神経疾患を正しく診断をするのにあたり、現代医療ではどちらの検査も必要不可欠でスタンダードともいえる検査になります。頭痛、めまい、痺れ、もの忘れなどを主症状にクリニックまたは病院に受診されると、100%CTまたはMRIの検査を勧められることになるかと思います。それほどCTとMRIは必須の検査となります。CTとMRIの違いに疑問を持たれたり、ご自身ではMRI検査が希望であったにも関わらず、CT検査を勧められたりするかもしれません。この章ではCTとMRIの違いを中心に説明してまいります。

CTとはComputed Tomographyの略でX線検査の一種です。レントゲンにコンピュータを組み合わせることによって、レントゲン検査よりはるかに正確で詳細な情報を短時間で診断できます。

MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で磁石による「強い磁場」と「電波」を使って画像を得ます。そのため、MRIは放射線による被ばくがなく、小児や健常な方も安心して検査を受けることができます。

CT・MRI -安全性-

どちらの検査も安全性は確立されており、病気やけがを、迅速に、正確に、見つけます。
検査によって正確に病巣がわかり、適切な治療が受けられる、また病巣が発見されなかった場合も、不安から解消されるベネフィットは検査のデメリットを上回っています。

CTはX線を用いるため放射線被曝のデメリットがあります。通常のCT検査の臓器線量は20~30mGy程度です。使用する放射線の量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量です。そして診断に必要な部位に最小限のX線量で検査を行っているため、放射線の影響を心配される必要はありません。当院では妊娠中の方へのCT検査は行っておりませんが、器官形成期の胎児に影響が出る線量は、100 mGyと言われています。頭部CTを行った際の胎児が受ける線量は最大0.005mGyです。

MRIは放射線被曝はありません。しかし磁石を用いた検査のため金属に対して厳しい制限があります。具体的には心臓ペースメーカー、人工内耳、植え込み型電極・除細動器、骨成長刺激装置、脳室シャントチューブ、1964年以前の人工心臓弁、2000年以前の脳動脈瘤クリップなどの体内機器から金属片、金属研磨業での勤務経験、刺青、アイライン、コンタクトレンズ、湿布、ホッカイロ、ヒートテックなど注意が必要です。また電子機器、クレジットカード、アクセサリーなどにも気を配る必要があります。

CT・MRI -撮影時間-

撮影時間は圧倒的にCTが短時間で優れます。一般的なMRIの撮影が20分-30分かかるのに対してCTは約十秒ほどで終了します。またオープンタイプのMRIを除けば、MRIは閉所での撮影となり閉所恐怖症の方には向かない検査です。ただし現在オープンタイプのMRIはシーメンス・GE・フィリップス・キャノン4社は全て撤退しております。唯一日立のみが生産を続けていますが、今後の展開は分かりません。また閉鎖式のMRIは1.5テスラ、3テスラという信号強度の解析能力を持ちますが、オープンタイプのMRIは0.3テスラ、0.4テスラと信号強度による解析能力が閉鎖式の1/5から1/10程度しかありません。オープンタイプのMRIは安価(3割負担の方で1500円程度、1割負担の方で500円程度安くなります)で開放的ですが、診断能力は格段に低下するデメリットがあります。

CT・MRI -脳の疾患に対する有用性の比較-

さて頭部の検査について考えると、CTのみの検査で完全な結果を得ることは困難ですし、逆もしかりです。CT・MRI両方がそろって初めて満足のいく診断が得られます。具体的な説明をしましょう。二次性頭痛の原因疾患といえば、くも膜下出血、脳出血、外傷、脳腫瘍、脳梗塞、などが代表的な疾患になります。これらの疾患の中でCTが得意とする疾患は出血性病変(くも膜下出血・脳出血など)と外傷(外傷による頭蓋内出血や骨折)です。CTだけでは出血性病変の診断は優位性が保てていますが、小さい脳梗塞や脳腫瘍に関してはほぼ診断が出来ません。一方、MRIは脳梗塞、脳腫瘍、血管病変が得意分野となります。二次性頭痛の中でも急激な発症に激烈な頭痛の場合、何よりも早く診断をつけたい代表疾患は「くも膜下出血」です。なぜならば致死率が高く、時間的な猶予の少ない緊急度が非常に高い疾患だからです。この場合は検査の優先度はCTとなります。ほぼ100%の脳神経外科医は頭痛診療ではCTを即座に撮影します。一方、発症早期の四肢の麻痺などは急性期脳梗塞の診断が重要になります。このようなケースではMRIが有用なのです。また脳動脈瘤、硬膜動静脈奇形、サイズが小さい脳動静脈奇形や脳腫瘍、急性期脳梗塞などはCTだけで診断を付けることは不可能です。このような理由から発症形式や症状によってCTとMRIを使い分けているのです。CTだけの検査ですと最低限の情報しか得られず(時に致命的なケースもあります)、頭痛の原因検索は非常に中途半端な形で推測の範囲を出られません。一方、MRIだけですとCTよりは細かい評価は可能でCTでは発見することが不可能な脳梗塞や動脈瘤から早期の脳腫瘍、血管病変、脳動静脈奇形、もやもや病などを診断することが可能です。しかしスピーディーで最低限の疾患否定は出来ません。両方が揃って初めて頭痛、めまい、痺れ、麻痺、意識障害の診察が可能です。感覚的にはMRI 8割、CT 2割、両方併せて100%といった感じでしょうか。しかし現実的にはどちらの機械も非常に高額です。特にMRIはCTの数倍の価格で簡単に購入出来るものではありません。しかしながらMRIは頭痛、めまい、痺れ、麻痺、意識障害の診察には欠かすことが出来ず、必要最低限のポジションにある機械ともいえます。よってCTとMRIが揃った病院を選ぶのが脳疾患診断の早道といえます。当院では両機材が揃っていますが、高額な機材のため相当悩み、決心するのには時間がかかりました。しかしながら頭痛診療・認知症診療・脳卒中診療には両機材が揃っていなければ現代の医療水準は保てないのが現状です。

CT・MRI -他臓器撮影比較-

他の臓器に関してCTとMRIはどう使い分けられているのでしょうか。特殊な撮影を除いておおまかに説明します。動く部位はCT優位、動かない部位はMRIが優位となります。呼吸運動や腸管運動が伴う胸部、腹部病変の精査にはCTが力を発揮し、脊髄や関節、前立腺や子宮にはMRIが力を発揮します。

 

CTMRI
原理 X線磁石
放射線被曝ありなし
検査時間短い(数十秒)長い(15-30分)
検査音
空間開放閉鎖
特化部位脳・骨・胸部・腹部脳・脊髄・関節・骨盤
頭蓋内病変頭部外傷・脳出血・くも膜下出血脳梗塞・脳腫瘍・血管病変
血管描出造影剤必要造影剤不要