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脳疾患を知る

12-9
慢性頭痛に対する新たな薬物療法

慢性頭痛に対する薬物療法は十分な効果が得られないことも多いです。現在保険診療で処方可能な頭痛予防薬は限られています。保険診察で処方可能なお薬については、既に片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の章で解説してきました。そもそも慢性頭痛はそれらのお薬に抵抗性があるため、この章では国内では未承認だが有効性の報告が蓄積されてきた既存薬剤と新規薬剤について解説します。

 

既存薬剤

①レベチラセタム(イーケプラ)

イーケプラは抗痙攣薬です。非常に有効性の高いお薬で安全性も実証されています。そして使い勝手が非常に優れています。慢性頭痛の診療ガイドライン2013では、片頭痛予防薬としてGroup2に分類されています。反復性片頭痛における予防効果は示されていますが、慢性片頭痛に有意な効果は示されておりません。

②SNRI(サインバルタ)

抗うつ剤は疼痛治療に欠かせない代表的な薬剤です。慢性頭痛ガイドラインにおいて片頭痛予防薬として三環系抗うつ剤のアミトリプチリンが有効性を、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)のフルボキサミン、パロキセチン、SNRIのデュロキセチンが経験的に有効であると記されています。アミトリプチリンは非常に有効性の高い薬ですが、眠気・ふらつき・口渇・尿閉の副作用から前立腺肥大症や緑内障患者に用いることが出来ません。その場合にはSNRIのデュロキセチンを用いるケースが多いです。

③オランザピン(シプレキサ)

慢性頭痛のガイドラインには有効であるが副作用に注意と記載されています。慢性頭痛に対する有効性が認められる他に片頭痛、群発頭痛に対しても有効性が認められています。副作用は体重増加、眠気、便秘です。糖尿病の方は使用できません。

 

 

 

新規薬剤

新規頭痛治療薬抗CGRO受容体抗体の治験が進められています。片頭痛や群発頭痛、難治性頭痛の新たな治療薬として注目を集めています。効果発現の早さや安全性の利点がありますが、高価な点が欠点です。