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脳疾患を知る

12-1
一次性咳嗽性頭痛

特徴

咳をすると誘発される、約1分ほど持続する両側性(後頭部)の頭痛です。主に40歳以上の男性に起こります。咳以外にも『くしゃみ』『いきみ』『ヴァルサルヴァ手技(息を止めて力むこと)』『大笑い』などによっても頭痛が起こります。インドメタシン(50-200㎎/日)が有効です。咳嗽性頭痛の60%は一次性咳嗽性頭痛ですが、40%は二次性の頭痛で他に原因があります。多いものはアーノルド・キアリ奇形I型(小脳扁桃が下に落ち込む病気です)、溶連菌感染症、髄膜炎、硬膜下出血、脳動脈瘤、副鼻腔炎や低髄液圧症候群に随伴して起こるので、諸検査が必要です。

 

診断基準

A.B-Dを満たす頭痛が2回以上ある

B.咳、いきみ、またはその他のヴァルサルヴァ手技(あるいはこれらの組み合わせ)に伴ってのみ誘発されて起こる

C.突発性に起こる

D.1秒‐2時間持続する

E.ほかに最適なICHD-3の診断がない

(日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版)

 

疫学

有病率は1%程度と考えられています。一般的に男性に多く、40歳以上の年齢(平均55歳)でみられる事が多いです。

 

解説

以前は良性咳嗽性頭痛、ヴァルサルヴァ手技頭痛など呼ばれてきた頭痛です。頭蓋内疾患が存在しない状態で、咳または息みにより誘発される頭痛のことです。頭蓋内疾患が存在しない状態でというのは頭蓋内に脳腫瘍や奇形があると咳やいきみで同じタイプの頭痛が誘発されるからです。多いものはアーノルド・キアリ奇形I型(小脳扁桃が下に落ち込む病気です)、脳腫瘍、溶連菌感染症、髄膜炎、硬膜下出血、脳動脈瘤、副鼻腔炎や低髄液圧症候群などです。一次性頭痛に共通しますが、画像検査等の諸検査を行なって二次性頭痛の否定が行えないと診断がつきません。咳や息みによって誘発される頭痛のうち40%は二次性頭痛になります。咳以外にも『くしゃみ』『いきみ』『ヴァルサルヴァ手技(息を止めて力むこと)』『大笑い』『泣く』『歌う』『排便』などによっても頭痛が誘発されます。これらの誘発因子の後に出現し、ほぼ直後に痛みのピークに達します。数秒から数分間で消退しますが、軽度の頭痛が2時間程続く方もいるために診断基準では1秒から2時間の持続時間となっています。通常、左右両側性の痛みで後頭部痛が多いです。めまい、悪心、嘔吐、睡眠障害を2/3の方にともないます。

 

治療

インドメタシンが有効です。インドメタシンを50-200mg/日が有効ですが、少数の症候性の方にも効果がみられる事があります。しかしながら頭痛の持続時間が短いため、頓挫療法よりも、咳嗽の原因となっている疾患を治療する事が第一になります。一般的に予後は良好で、自然軽快する例が多いです。