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眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

10-5
後頭神経痛

特徴

頭皮の後部に生じる、片側あるいは両側性の、ズキンとするまたは刺すような痛みです。

 

診断基準

A.大後頭神経、小後頭神経、または第3後頭神経のいずれか1つ以上の支配領域の片側性または両側性の痛みで、B-Dを満たす

B.痛みは以下の3つの特徴のうち2項目を満たす

 ①数秒ー数分間持続する疼痛発作を繰り返す

 ②激痛

 ③ズキンとする、刺すようなと表現される痛みの性質

C.痛みは以下両方を伴う

①頭皮または頭髪(あるいはその両方)への非侵害刺激により、異常感覚またはアロディニア(あるいはその両方)が出現する。

②以下のいずれかまたは両方

a)障害神経上の圧痛

b)大後頭神経の出口部または頸髄神経根c2領域にトリガーポイントがある

D.痛みは障害されている神経の局所麻酔薬によるブロックで一時的に改善する

E.ほかに最適なICHD-3の診断がない

(日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版)

解説

後頭神経痛は頭痛、かつ神経痛の一種で、(1)大後頭神経痛、(2)小後頭神経痛、(3)大耳介神経痛の3種類があります。それぞれ痛む場所が違うだけで、痛みの質や程度は同様です。数秒から数分のキンとするような、刺すような激痛が走ります。左右いずれかのこともありますが、後頭部全体が痛くなることもあります。間隔は数秒から数時間と様々です。一度痛み出すとしばらくの間痛みが続きます。頭皮に異常感覚を伴っており洗髪やブラシで髪をとかすだけで、激痛を感じることもあります。小後頭神経は、側頭部で耳の後ろへ走行しており、耳の横か上に痛みがあれば小後頭神経痛です。大耳介神経は、耳の後を支配しており、耳の後ろが痛む場合も後頭神経痛とみなされます。大後頭神経は外後頭隆起(後ろの骨の出っ張り)の外側2.5cm、小後頭神経はさらにその外側2.5cmから出ています。この部位を押してみて痛みが増強すれば診断に結びつきます。肩こりや耳鳴り、めまいを伴うこともあります。

 

治療

鎮痛剤(NSAIDs)が第1選択薬になります。また神経ブロックも一時的に有効です。他には抗てんかん薬を使用することもあります。カルバマゼピン(テグレトール)、ガバペンチン(ガバペン)