眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

10-15
線維筋痛症

概念

線維筋痛症とは、身体の広い範囲に痛みが持続し、強いこわばりとともに、疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴います。痛みは軽度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多いです。痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあります。原因は不明ですが、睡眠障害、間脳―下垂体―副腎皮質系の異常、精神的ストレスの関与などが指摘されています。また抗核抗体陽性例が約30%存在すること,SLE 患者に合併が認められることなどから、リウマチ性あるいは自己免疫性疾患の要素が推測されています。

 

有病率

2003年の厚生労働省研究班の調査で日本の人口の約1.7%の方々が線維筋痛症であるとされています。決してまれな病気ではありません。男女比が14.8と女性に多い病気です。発病年齢は40歳後半の年代に多いとされています。中年女性に発病することが多いといえるでし ょう。

 

症状

身体の広範な部位に慢性の痛みが持続的に見られます。痛みは鈍い痛みのこともありますが、激しい痛みとなり、日常生活を障害しています。患者さんは「伝えられない痛み御」「ナイフで切り裂かれるような痛み」「ガラスの破片で傷つけられるような痛み」などと訴えます。また軽微の刺激(爪や髪への刺激、温度・湿度の変化など)で激痛が走ることもあります。このような痛みが日によって、あるいは1日のうちでも時間によって変化します。また、季節や天候、活動、ストレスなどによって、痛みが悪化します。様々な検査を行っても、異常がみられないことから、診断が遅れることがしばしばで、「どの病院に行っても異常ないと言われ、何度も相談すると怒られる」と絶望的になっている方も見られます。

随伴症状

随伴症状として、頭痛、睡眠障害、こわばり、倦怠感、疲労感、抑うつ、微熱、記憶障害、集中力欠如、ドライアイなどが伴う事もあります。中には、リウマチや他の膠原病に伴って線維筋痛症が発症している場合もあります。当院頭痛外来には「頭痛」を主訴に来院しますが、話が進むと他院で全身の痛みを訴え続けてきた過去の話を聞くことによって診断に至るケースがあります。

 

検査

血液、尿検査、レントゲン撮影、CTMRI、エコー検査などの画像検査、脳波などを施行しても特徴的な結果は得られません。診断に至るに当たってこれらの検査を行わなければ他の重大な疾患は除外できません。、また治療薬剤の副作用のチェック、線維筋痛症と合併しやすい病気の疑いが出てきた時は検査が行われます。

 

診断基準

身体の特徴的部位を圧迫する(親指で4Kgの力で押さえる)と、線維筋痛症の患者さんは強い痛みを訴えます。この身体診察所見と広範囲の慢性疼痛(3ヶ月以上)がある場合線維筋痛症とする基準(米国リウマチ学会1990年基準)と、この圧痛点を利用せず、痛みと身体症状、神経・精神症状の組み合わせで線維筋痛症を診断する基準(米国リウマチ学会2010年基準)があります。

 

治療

治療には、薬物療法と非薬物療法があります。薬物療法として、

①神経障害性疼痛に有効なリリカ(プレガバリン)、ミロガバリンベシル酸塩(タリージェ)

②抗うつ薬・サインバルタ(デユロキセチン)、トリプタノール(アミトリプチリン)

③弱オピオイド系のトラマール、トラムセット(トラマドール)

④その他として、ノイロトロピン(ワクシニアウィルス接種家兎炎症皮膚)、カロナール(アセトアミノフェン)などが使用されます。

一般的な鎮痛薬(非ステロイド系抗炎症薬)であるロキソニン(ロキソプロフェン)、ボルタレン(ジクロフェナック)などや副腎皮質ステロイドホルモンは有効ではありません。