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眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

10-2
有痛性三叉神経ニューロパチー

特徴

三叉神経の1枝以上の神経領域に生じる顔面痛で、他の疾患が原因となって神経損傷が示唆されているものです。神経損傷を来す原因によって分類されています。①急性帯状疱疹②帯状疱疹後③外傷後④多発性硬化症プラーク⑤占拠性病変⑥その他に分類されています。

 

解説

痛みの性質や重症度は原因により様々ですが、持続性で、焼けつくような、絞られるようなと表現される事が多いです。発作的に生じる疼痛の他に該当する三叉神経の支配領域に知覚鈍麻などの感覚障害が存在すること,発作後の不応期がないことなどで有痛性三叉神経ニューロパチーを疑います。その他に若年者、反対側に痛みが生じる、両側性、経過中の疼痛症状の変化を生じた場合には様々な原因を考慮して諸検査を行う必要があります。

 

  • ①急性帯状疱疹

帯状疱疹は、ある日、ビリビリする痛みを覚えることで始まります。痛みが4.5日続いたころ、赤い班点ができ、水ぶくれになっていきます。やがて膿を持ち1週間ほどで破れて、潰瘍ができます。さらに1週間ほどでかさぶたになり、発症後3~4週間で治癒します。帯状疱疹の症状がでやすいのは三叉神経の第1枝支配の額から瞼、鼻周囲に好発し、動眼神経、外転神経、顔面神経麻痺を合併することがあります。

 

  • ②帯状疱疹後

若い人が帯状疱疹にかかっても、痛みは治まります。しかし重症の場合や高齢者では、皮膚症状が消えた後もしつこい痛みだけが残る場合があります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。焼け付くような痛みと痒みが典型的です。急性帯状疱疹活動期から痛みが持続するケースが多いですが、皮疹が治癒してから痛みが起きることがあります。そのような症例では、皮疹の後遺症として、蒼白色または明紫色の瘢痕が見られることがあります。

 

  • ③外傷後有痛性三叉神経ニューロパチー

痛みの発症に関係した、明確な外傷歴を持っています。例えばインプラント手術、智歯の抜歯、顎変形症手術、中顔面骨折などです。持続性の灼熱痛か電撃痛もしくはその両方が特徴である、顔面あるいは口腔の疼痛です。

治療

有痛性三叉神経ニューロ パチーについては,各種ガイドラインにおいて第一選 択薬とされ,2010年から帯状疱疹後神経痛に対し適応のあったプレガバリンが第一選択薬になります。2016 年からはアミトリプチリンも末梢性神経障害性疼痛に対する適応が認めらレました。