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新規発症持続性連日頭痛
特徴
頭痛を経験したことのない人が突然発現して、その後寛解することなく連日続く頭痛です。
診断基準
A. BおよびCを満たす持続性頭痛がある
B. 明確な発症で明瞭に想起され、24時間以内に持続性かつ非寛解性の痛みになる
C.3ヶ月を超えて持続する
D.ほかに最適なICHD-3の診断がない
(日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版)
疫学
稀な疾患です。10-20代の女性に多いです。
解説
頭痛の既往がない患者に起こり、頭痛は発症時から寛解することなく、連日起こる点が独特な頭痛です。患者は発症時点を正確に述べ、慢性緊張型頭痛と異なります。発症時点がはっきり分かる頭痛は二次性頭痛に多く存在するため、他の一次性頭痛同様に諸検査により二次性頭痛の否定なしには診断は出来ません。特に髄液量減少性頭痛、髄液圧亢進性頭痛、外傷後頭痛、および感染性頭痛(特にウイルス性)などの二次性頭痛を否定する事は重要です。いずれにしろ診断は,過去に頭痛の既往が無く急激に発症し,その後,頭痛がずっと続くという問診が得られれば診断は容易です。
診断基準
次の痛みの特徴のうち少なくとも2項目を満たす
1. 両側性 2. 圧迫感、締めつけ感(非拍動性) 3. 程度は軽度~中等度4. 歩行または階段を昇るなどの日常的な動作により増悪しない
以下の両方を満たす
1. 光過敏、音過敏、軽度悪心はあっても1項目のみ
2. 中等度または重度の悪心、嘔吐のいずれもない
治療
治療法に関し明確な基準は無いが,自然に寛解するタイプと,積極的治療法に抵抗性を示す難治性のタイプがあり治療効果は良くないと言われています。その中でもガバペンやトピナ、あるいは片頭痛の予防薬でもあるトリプタノールが有効であった報告があります。