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脳疾患を知る

12-7
睡眠時頭痛

夜間就寝中、一定の時間帯に起こって患者を覚醒させることから『目覚まし時計頭痛』などとも呼ばれています。就寝中に覚醒する頭痛と言えば群発頭痛が有名ですが、群発頭痛のような落ち着きのなさや自律神経症状は認めません。片頭痛の発作ならば「寝る」行為が楽になるためじっとしていますし、群発頭痛の発作ならば「ウロウロする」行為が楽になるのでウロウロします。ところが睡眠時頭痛は痛みによって覚醒するのですが、他の頭痛とは異なり「飲食」「シャワーを浴びる」「読書をする」「テレビを見る」など頭痛で苦しんでいるようには思えない(配偶者には「何故夜中にそんなことしてるの?」と理解できない)特徴的な行動をとります。しかし当の本人は頭痛があるのですが、何かしらの行動が頭痛を軽減させるようです。

 

診断基準

A.B-Eを満たす繰り返す頭痛発作がある

B.睡眠中のみに起こり、覚醒の原因となる

C.月に10回以上、3ヵ月を越えて起こる

D.覚醒後15分以上、4時間まで持続する

E.頭部自律神経症状や落ち着きのなさを認めない

F.ほかに最適なICHD-3の診断がない

(日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版)

 

疫学

高齢女性に多いです。

 

解説

頭痛は一晩に1-2回(多くは午前2時から4時)、連日生じることが多いです。つまり多くの方は毎晩同じような時間帯に頭痛で覚醒しているのです。片頭痛の発作ならば「寝る」行為が楽になるためじっとしていますし、群発頭痛の発作ならば「ウロウロする」行為が楽になるのでウロウロします。ところが睡眠時頭痛は痛みによって覚醒するのですが、他の頭痛とは異なり「飲食」「シャワーを浴びる」「読書をする」「テレビを見る」など頭痛で苦しんでいる用には思えない(配偶者には「何故夜中にそんなことしてるの?」と理解できない)特徴的な行動をとります。しかし当の本人は頭痛があるのですが、何かしらの行動が頭痛を軽減させるようです。片頭痛のようにベッドに横たわることはありません。群発頭痛のように落ち着きがなく動いたりもしません。

頭痛の特徴として、以前は鈍い頭痛とされていましたが、むしろズキズキする頭痛、拍動性の頭痛、鋭利な頭痛などのほうが多いようです。頭痛の程度は、軽度から中等度と考えられていましたが、重度の頭痛も一定数いるようです。また以前は両側性と考えられましたが、1/3が片側性です。持続時間は、覚醒後15分以上4時間までです。睡眠時頭痛は、30%以上の患者が、片頭痛の既往があります。睡眠時頭痛も他の一次性頭痛同様に二次性頭痛を否定する事が必須です。そして夜間高血圧により同様の頭痛をきたすことが報告されており、注意が必要です。

 

治療

カフェインが有効とされています。代わりに一杯の珈琲も有効です。カフェインは急性期治療薬としてだけではなく予防薬としても効果があるようです。他の予防療法としてはリチウム、トピラマート、メラトニン、アミトリプチンが有効と言われています。