3-2
高血圧の症状は?
高血圧は、先述した如くサイレントキラー(静かなる殺人者)といわれるように、ほとんどの人では自覚症状はありません。これが非常に問題です。多くの方は、特段気になる症状を自覚しないので、高い血圧を心配はするものの、現実から眼を背けてしまうことが多いのが現状です。サイレントキラー(静かなる殺人者)は、その間も静かに静かに全身の血管を少しずつ蝕みます。長期間高い血圧に蝕まれた血管は、弾力性も持った生き生きとした血管から変わり果てた姿に変わります。太い血管は動脈硬化が強くなり、硬く破けやすく血管の中にはプラークといってお粥のような付着物が溜まります。細い血管はリポヒアリノーシス(脂肪硝子変性)と言って破けて出血しやすい血管に変性してしまいます。脳、眼、心臓、腎臓、下肢の血管が特に蝕まれやすく、最終的には出血を起こしたり梗塞を起こし重篤な状態となります。クリニックを開院する前は、大学病院・市中病院で発症した脳出血・脳梗塞・くも膜下出血の治療を行い、連日連夜麻痺、寝たきり、死亡する方々を治療してきました。一旦発症してしまうと現代の医療では元の姿に戻ることはありません。発症する前に徹底的に予防することが重要です。仮に高血圧だけで症状が現れるとするならば、頭痛、夜間頻尿、呼吸困難、めまい、ふらつき 、下肢冷感などの症状が現れます。特に頭痛外来を行っていますと、原因が分からない連日性の頭痛や早朝時頭痛には相当数の高血圧患者がおります。多くは頭痛薬や鎮痛薬ではなく、降圧剤で血圧を下げると症状は軽快するケースに遭遇します。