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脳疾患を知る

14-3
PRES

概要

Posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)とは1996年に提唱された疾患でReversible posterior leukoencephalopathy syndrome(RPLS)とも言われます。高血圧、子癇、免疫抑制剤・抗癌剤・抗ウイルス薬の使用、膠原病、糖尿病、感染症、外傷、手術等を背景として生じる後頭部を中心とした可逆性の脳症です。臨床的には痙攣、意識障害、視覚異常などを主症候とし、画像上脳浮腫と考えられる変化が主に後部白質を中心に出現し、さらに臨床症候や画像所見が可逆性で、加療により消退する特徴をもっています。

症状

激しい頭痛で発症するケースが多く雷鳴頭痛の鑑別疾患にあげられます。前章のRCVSとは類似した疾患と考えられています。また意識障害、痙攣が現れることも多いです。視野障害は後頭葉の病変を反映して、皮質盲、視野欠損、幻覚などがあります。

画像

posteriorという名前の通り両側後頭葉が障害されるケースが多いです。しかし後頭葉以外にも前頭葉、側頭葉など様々な部位に現れます。皮質下白質が必ず障害され、皮質が障害されることもあります。また病変は基本的に両側性ですが、左右非対称のことが多いです。後に解説しますが、病態は血管性浮腫(vasogenic edema)のため、MRI撮影でT2WIおよびFLAIRでは高信号、ADC上昇がポイントとなります。(脳梗塞の様なcytotoxic edemaではADCは低下します)これら症状や放射線学的異常所見は、治療により通常数日から2週間以内で消失します。しかし、一部は脳出血や脳梗塞、あるいはくも膜下出血などを合併し不可逆的な後遺症を持つことがあることも指摘されています。

病態

脳は重要な臓器であり、何かしらの原因によって血圧が変動しても脳血流を一定に保つ自動調能”autoregulation”という機能が備わっています。例えば血圧が下がっても脳には変わらない血液量を供給しようと働きます。しかしPRESは血管内皮細胞障害により、autoregulationが破綻します。その結果、脳血流は適量に調整されないので血圧依存的になり、血圧上昇により血管原性浮腫”vasogenic edema”をきたすこととされています。

治療

原因がある場合は原因除去を行います。次に降圧療法です。カルシウム受容体拮抗薬(ニカルジピン)を用い、平均動脈圧105-125mmHg以下を目標に降圧します。また痙攣には抗痙攣薬で対応します。

 

当院は静岡県伊豆半島に開院した脳神経外科専門医・眼科専門医・脳卒中専門医・頭痛専門医・認知症専門医が常勤しているクリニックとなります。一般的な眼科・脳神経外科・内科などの外来はもちろん、頭痛外来・もの忘れ外来・高血圧外来・生活習慣病外来などの専門外来も常時受け付けております。CT,MRIが完備されているため頭蓋内疾患は即日診断が可能です。眼科は白内障や眼瞼下垂、硝子体の手術を行っております。脳神経外科で手術が必要な場合は昭和大学脳神経外科、順天堂大学脳神経外科、その他ご希望の病院と提携し紹介させて頂いております。駿東郡・清水町・三島市・沼津市・長泉町・伊豆の国市・函南町・裾野市・熱海市・伊東市・伊豆市・小山町・箱根・真鶴・湯河原・小田原市などの方々から遠方の方々まで、気になることがございましたらいつでもご相談下さい。