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脳疾患を知る

14-2
可逆性脳血管収縮症候群:RCVS

概要

Reversible cerebral vasoconstriction syndrome(可逆性脳血管収縮症候群;RCVS)とは、平均40代の女性に好発する平均時間1-3時間の雷に打たれたような突然の激しい頭痛を繰り返す疾患です。頭痛の引きがねとして、性行為、排便、排尿、運動、咳、入浴、シャワーなどが多く視覚異常、失語症、感覚異常、片麻痺などを伴うケースもあります。脳血管撮影や3D-CTA・MRAなどの脳血管の精密検査で分節状血管狭窄と拡張を認めます。発症から2週間の間にくも膜下出血、脳出血、脳梗塞を合併するケースもあります。多くの場合、頭痛・脳血管の所見は数週間で消失します。

診断基準

A.新規の頭痛でCを満たす
B.可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)と診断されている
C.以下のうち少なくとも1項目が示される
1.頭痛は局在神経学的欠損または痙攣発作(あるいはその両方)を伴うことも伴わないこともあり、血管造影で「数珠(strings and beads)」状外観を呈し、RCVS の診断の契機となった
2.頭痛は以下の項目のいずれかまたは両方の特徴を持つ
a)雷鳴頭痛として発現し、1ヶ月以内は繰り返し起こる
b)性行為、労作、ヴァルサルヴァ手技、感情、入浴やシャワーなどが引き金となる
3.発現から1ヶ月を超えると著明な頭痛は起こらない

(日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版)

 

症状

 

繰り返す雷鳴頭痛

雷鳴頭痛とは,その名称のごとく,突如雷に打たれたかのように,にわかに起こる激しい頭痛を意味します。以前より「瞬時に痛みがピークに達する激しい頭痛」という意味で使用されていました。この特徴を有する頭痛が現れる疾患として、くも膜下出血、頸動脈あるいは椎骨動脈解離、脳出血、下垂体卒中、脳静脈血栓症などの二次性頭痛が中心です。これらの疾患は命の危険性が差し迫った状況ですので、必ずCTあるいはMRI検査を行う必要があります。これら二次性頭痛の鑑別疾患の中にRCVSが加わりました。RCVSを含めた上記の二次性頭痛が否定されたら一次性雷鳴頭痛の診断が成り立ちます。雷鳴頭痛を示す症例のなかには、原因疾患が明らかにすることができない例も多くみられることから、一次性頭痛として「一次性雷鳴頭痛」が一次性頭痛のカテゴリーに独立した疾患として登場しました。

頭痛は両側性が多く、頭全体の痛みが多いです。嘔気、嘔吐、光過敏、音過敏など片頭痛様の随伴症状が伴うことがあります。激しい痛みは1-3時間程度ですが、その後は中等度の痛みが持続し、1-4週間の間に平均1-4回激しい頭痛が襲うことが多いようです。頭痛の引きがねとして、性行為、排便、排尿、運動、咳、入浴、シャワーなどが多く視覚異常、失語症、感覚異常、片麻痺などを伴うケースもあります。

画像所見

多くの場合脳自体に異常所見は認めません。しかしMRA・3D-CTA・血管撮影にて脳血管を撮影すると「数珠(strings and beads)」状外観を呈します。脳動脈の収縮と拡張が交互に存在します。しかし症状が出現して1週間は正常の血管を呈することも多く、繰り返し血管の精査が必要です。

(発症時)

(発症35日目)

 

合併症 経過

雷鳴頭痛が繰り返す過程の中で、一過性脳虚血発作、PRES、脳浮腫、脳梗塞、くも膜下出血、脳出血など重篤な合併症を発症することがあります。これら合併症の程度によって予後が決まります。

 

当院は静岡県伊豆半島に開院した脳神経外科専門医・眼科専門医・脳卒中専門医・頭痛専門医・認知症専門医が常勤しているクリニックとなります。一般的な眼科・脳神経外科・内科などの外来はもちろん、頭痛外来・もの忘れ外来・高血圧外来・生活習慣病外来などの専門外来も常時受け付けております。CT,MRIが完備されているため頭蓋内疾患は即日診断が可能です。眼科は白内障や眼瞼下垂、硝子体の手術を行っております。脳神経外科で手術が必要な場合は昭和大学脳神経外科、順天堂大学脳神経外科、その他ご希望の病院と提携し紹介させて頂いております。駿東郡・清水町・三島市・沼津市・長泉町・伊豆の国市・函南町・裾野市・熱海市・伊東市・伊豆市・小山町・箱根・真鶴・湯河原・小田原市などの方々から遠方の方々まで、気になることがございましたらいつでもご相談下さい。