眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

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頭部外傷-各論(頭蓋骨骨折)-

頭蓋骨骨折は大きく分けて3つの骨折があります。

①骨に線状のひびが入った線状骨折

②頭蓋骨が内側に陥没した陥没骨折

③頭蓋骨の底の部分が骨折した頭蓋骨骨折

  • 線状骨折

頭蓋骨に線状のひびが入った状態です。骨折しても通常、骨と骨の面がずれることは稀ですので手術による整復は行いません。自然に治癒します。ただし頭蓋骨直下には硬膜という膜があります。この膜の表面を中硬膜動脈という動脈が、骨に食い込んで走行しています。頭蓋骨骨折の際に骨折部の骨に食い込んでいる硬膜動脈が傷つくと大出血を起こし頭蓋骨と硬膜の間に出血します。これを急性硬膜外血腫と呼びます。急性硬膜外血腫については別に記載しましたが、血腫が脳を圧迫する場合は開頭血腫除去術を行います。

  • 陥没骨折

陥没骨折は頭蓋内腔に向けて陥没した骨折です。ピンポン球を押した時にへこんでしまったような骨折です。幼少時の骨は脆弱で弾性があり,変形しやす いため、この陥没骨折は成人よりも小児に好発します。頭蓋骨陥没骨折の治療方針は、陥没骨折の大きさ、頭蓋内の状況(血腫の有無・陥没部が脳を圧迫している程度)、美容上の問題、から判断します。

  • 頭蓋底骨折

頭蓋骨の底辺の骨折です。目の周囲に皮下出血(パンダの目)がみられるときは前頭蓋底が、耳の後ろに皮下出血がみられるときは中頭蓋底が骨折しています。頭蓋底骨折の問題点として、主に髄液漏と脳神経麻痺の2つがあります。

  • 髄液漏

髄液漏とは、脳脊髄液が骨折部から頭蓋の外にもれ出てくる状態です。耳の穴(髄液耳漏)か鼻の穴(髄液鼻漏)です。髄液は非常にクリーンな状況で脳を守っています。外部と交通が出来ると外部の細菌は髄液を介して脳内に自由にアクセス出来ます。そして細菌が頭蓋内で繁殖した状態が髄膜炎です。また、髄液が流れ出る代わりに空気が頭蓋内に入る気脳症を起こすこともあります。外部の空気は不潔ですし、貯留したままだと温度変化によって膨張をすることもあります。

  • 脳神経麻痺

頭蓋底から脳から出た脳神経が多く通っています。この通り道に骨折が及ぶと、中を通っている脳神経を傷つけて脳神経麻痺を来すことがあります。前頭蓋底骨折では嗅神経麻痺による嗅覚障害・側頭骨骨折では顔面神経麻痺による顔面の運動麻痺や聴神経障害による聴覚障害が現れます。前頭蓋底骨折のひとつである視神経管骨折では、視神経が障害され視力障害を来します。脳神経麻痺は遅れて現れることもあり、頭蓋底骨折と診断された場合には受傷後1週間は要注意です。