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脳疾患を知る

2-5
頭部外傷-各論(頭蓋骨骨折)-

頭蓋骨骨折は大きく分けて3つの骨折があります。

①骨に線状のひびが入った線状骨折

②頭蓋骨が内側に陥没した陥没骨折

③頭蓋骨の底の部分が骨折した頭蓋骨骨折

 

線状骨折

頭蓋骨に線状のひびが入った状態です。骨折しても通常、骨と骨の面がずれることは稀ですので手術による整復は行いません。自然に治癒します。ただし頭蓋骨直下には硬膜という膜があります。この膜の表面を中硬膜動脈という動脈が、骨に食い込んで走行しています。頭蓋骨骨折の際に骨折部の骨に食い込んでいる硬膜動脈が傷つくと大出血を起こし頭蓋骨と硬膜の間に出血します。これを急性硬膜外血腫と呼びます。急性硬膜外血腫については別に記載しましたが、血腫が脳を圧迫する場合は開頭血腫除去術を行います。

 

陥没骨折

陥没骨折は頭蓋内腔に向けて陥没した骨折です。ピンポン球を押した時にへこんでしまったような骨折です。幼少時の骨は脆弱で弾性があり,変形しやす いため、この陥没骨折は成人よりも小児に好発します。頭蓋骨陥没骨折の治療方針は、陥没骨折の大きさ、頭蓋内の状況(血腫の有無・陥没部が脳を圧迫している程度)、美容上の問題、から判断します。

 

頭蓋底骨折

頭蓋骨の底辺の骨折です。目の周囲に皮下出血(パンダの目)がみられるときは前頭蓋底が、耳の後ろに皮下出血がみられるときは中頭蓋底が骨折しています。頭蓋底骨折の問題点として、主に髄液漏と脳神経麻痺の2つがあります。

 

髄液漏

髄液漏とは、脳脊髄液が骨折部から頭蓋の外にもれ出てくる状態です。耳の穴(髄液耳漏)か鼻の穴(髄液鼻漏)です。髄液は非常にクリーンな状況で脳を守っています。外部と交通が出来ると外部の細菌は髄液を介して脳内に自由にアクセス出来ます。そして細菌が頭蓋内で繁殖した状態が髄膜炎です。また、髄液が流れ出る代わりに空気が頭蓋内に入る気脳症を起こすこともあります。外部の空気は不潔ですし、貯留したままだと温度変化によって膨張をすることもあります。

 

脳神経麻痺

頭蓋底から脳から出た脳神経が多く通っています。この通り道に骨折が及ぶと、中を通っている脳神経を傷つけて脳神経麻痺を来すことがあります。前頭蓋底骨折では嗅神経麻痺による嗅覚障害・側頭骨骨折では顔面神経麻痺による顔面の運動麻痺や聴神経障害による聴覚障害が現れます。前頭蓋底骨折のひとつである視神経管骨折では、視神経が障害され視力障害を来します。脳神経麻痺は遅れて現れることもあり、頭蓋底骨折と診断された場合には受傷後1週間は要注意です。

 

当院は静岡県伊豆半島に開院した脳神経外科専門医・眼科専門医・脳卒中専門医・頭痛専門医・認知症専門医が常勤しているクリニックとなります。一般的な眼科・脳神経外科・内科などの外来はもちろん、頭痛外来・もの忘れ外来・高血圧外来・生活習慣病外来などの専門外来も常時受け付けております。CT,MRIが完備されているため頭蓋内疾患は即日診断が可能です。眼科は白内障や眼瞼下垂、硝子体の手術を行っております。脳神経外科で手術が必要な場合は昭和大学脳神経外科、順天堂大学脳神経外科、その他ご希望の病院と提携し紹介させて頂いております。駿東郡・清水町・三島市・沼津市・長泉町・伊豆の国市・函南町・裾野市・熱海市・伊東市・伊豆市・小山町・箱根・真鶴・湯河原・小田原市などの方々から遠方の方々まで、気になることがございましたらいつでもご相談下さい。