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脳疾患を知る

3-2
急性期治療(エルゴタミン製剤)

概要

エルゴタミン製剤は後述するトリプタン製剤が登場するまでは、片頭痛急性期の中心をなす治療薬でありました。しかし現在では限られた症例にしか用いられません。現在では大部分の中程度ー重度の頭痛患者がトリプタン製剤が用いられます。エルゴタミン製剤は内服することにより悪心・嘔吐を来しやすい、頭痛が起こってからでは効果が薄いといった特徴があります。しかし効果持続時間が長いこと、長期間使用しても効果が低下しにくいといった特徴もあります。これら特徴からトリプタンよりエルゴタミン製剤が有益な状況は以下2点になります。

 

①発作時間が48時間以上と長い例

 

②頭痛の再発が起こる例

 

仮にこれらのケースで使用するにも大きな制限があります。また発作時には可能な限り早期に内服する事が求められます。通常、作用を増強するためにカフェインとの合剤の形で使用します。

妊娠、授乳中の患者や心疾患、末梢血管疾患、脳卒中、コントロール不良の高血圧患者、肝機能障害、腎機能障害がある患者には用いる事が出来ません。またトリプタン製剤と同時に服用することはできません。もし併用するときは、相互に24時間以上の間隔をあけて服用することになっています。その他にエルゴタミン製剤は薬物乱用頭痛という乱用のリスクがあるために長期間の使用には注意が必要です。あらかじめ週に1回までの内服や月に6回までの内服などと具体的な使用頻度を決めなければなりません。

 

  • 慢性頭痛の診療ガイドライン

『推 奨 【グレードB】エルゴタミン/カフェイン配合薬は痛みが中等度~重度となった頭痛には効果は少ないが,トリプタンで頻回に頭痛再然がみられる患者には使用価値がある.早期服用での効果はNSAIDsと同等もしくは劣っており,副作用として嘔吐があるため,使用は限られる.また妊娠中・授乳中の使用は禁忌である』と記載されています。