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片頭痛 -診断-
画像診断は必要か
片頭痛の最終的な診断は主に問診や診察になります。しかし片頭痛を含む一次性の頭痛の原則は二次性の頭痛が否定される事です。つまりCTやMRIによって二次性の頭痛の否定が不可欠になります。画像検査だけで片頭痛を診断することはできませんが、画像検査なしにも片頭痛は診断できません。二次性頭痛の中には生命の危険な状態の疾患が数多く存在するからです。例えばくも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、脳動静脈奇形、解離性動脈瘤、脳膿瘍と挙げればきりがありません。症状として片頭痛発作を起こす脳動静脈奇形、CADASIL、MELASといった先天性疾患も存在します。初めて片頭痛と診断する時、過去の頭痛とは明らかに異なる頭痛、頭痛の性状に変化がある場合は、画像診断で脳に二次的な疾患がないことを確認しなければなりません。さらに既に片頭痛と診断され通院中の方でも片頭痛(特に前兆を伴う片頭痛)が虚血性脳卒中リスクの上昇に関連するという試験結果も発表されています。さらに片頭痛は心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、静脈血栓塞栓症、心房細動のリスクを上昇させていたとの報告もあります。そのため定期的な脳の画像的な検査や心電図検査は行うべきでしょう。
これら画像検査を経て、脳に二次的に頭痛を引き起こす疾患が存在しない事が確認出来たら、問診や診察または頭痛手帳などから一次性頭痛の鑑別がはじまります。
片頭痛の特徴
片頭痛の特徴としての特徴をまとめました。
『片側の頭痛が多く、ズキンズキンとする拍動性の頭痛』
『一ヶ月に数度の発作性の頭痛』
『持続時間は4時間から3日くらいが多い』
『頭痛が起こると生活に影響がある』
『頭痛発作時、じっとしてる方が楽。動きたくない』
『頭を振ったり、動かすと頭痛が悪化する』
『頭痛発作時、動きたくないので寝てしまうと楽になる』
『靴紐を結んだり、頭を下に下げると頭痛が悪化する』
『頭痛時、普段はなんとも思わない光が眩しく感じる』
『頭痛時、普段はなんとも思わない音が気になる』
『頭痛時、普段はなんとも思わない匂いが気になる』
『気持ちも悪くなるし、場合によっては吐き気がする』
『頭痛が治ってしまうと何ともない』
『頭痛が来る前に予兆(肩こり、気怠さなど)がある』
『頭痛が来る直前に前兆がある』
『天候、ストレス、睡眠不足、食事、飲酒などで誘発される』
『頭痛が月経と関係している』
『妊娠中は頭痛発作が消えた』
『血縁者に同様の発作性頭痛の人がいる』
このようなタイプの頭痛は片頭痛を疑います。