眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

5-1
メラトニン受容体作動薬

概要

睡眠薬は『作用』から2つに分類、更に『構造』から5つに分かれます。

「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬」と「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」です。これまでの説明は「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬でした。改良を重ね副作用の低減を積み重ねましたが、2010年に「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」が販売されました。2021年現在では4つの種類があります。メラトニン受容体作動薬のロゼレムとメラトラベル、オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラとデエビゴになります。メラトニンは体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは脳の中にある松果体という部位から夜の20時頃から分泌されはじめ、深夜をピークに、朝になり太陽の光をあびると分泌されなくなる物質です。メラトニン受容体作動薬はメラトニンの分泌を促すお薬になります。従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質のひとつです。オレキシン受容体拮抗薬は、その「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促す、新しいタイプのお薬です。こちらのお薬も従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、

中途覚醒

早朝覚醒

熟眠障害

に使われることが多いです。

特徴

メラトニン受容体作動薬のロゼレムとメラトラベル

脳の松果体ホルモンの「メラトニン」の受容体に結合して、催眠作用や睡眠リズムを調節するお薬です。受容体はM1受容体とM2受容体の2つが存在し以下の作用を行っています。

・M1受容体:神経を抑制したり、体温を低下させることなどにより睡眠を促します。

・M2受容体:体内時計を同調したり、サーカディアン・リズムを変動します。

メラトニン受容体作動薬の特徴は、従来の睡眠薬とは異なり、視交叉上核以外の脳内作用がありません。よって従来の睡眠薬に発現していた反跳性不眠がありません。

メラトニン受容体作動薬の利点

自然な眠気を強くします

中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に有効です

睡眠のリズムを整える効果があります

耐性や依存性が少ないです

先述したように従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、強引に入眠させる入眠障害に用いるよりも

中途覚醒

早朝覚醒

熟眠障害

に使われることが多いです。また即効性がなく効果の実感が得られにくいお薬で、2~4週間ほど内服して徐々に睡眠が改善していくお薬です。入眠の頓服としての利用や入眠障害に対しては効果は期待しづらいです。

メラトニン受容体作動薬の欠点

入眠障害には向きません

効果が得られるのに2-4週間かかります

副作用に眠気の残存や頭痛があります

ロゼレムと同じくメラトニン受容体作動薬のメラトベルは、神経発達症の6-15歳小児にのおみ適応が認められたお薬になります。一般の睡眠障害には効果があまり認められていないようです。そのため一般の睡眠薬としては処方することができません。いわゆる発達障害や精神遅滞といわれていたようなお子さんの自然な眠気を強くする効果や入眠障害を改善する効果、昼夜逆転を改善する効果があります。またロゼレム同様に睡眠リズムを整える効果が期待でき、依存性が極めて少ないお薬です。副作用は眠気の残存や頭痛があります。