眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

5-1
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

概要

「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬」には①ベンゾジアゼピン系睡眠薬と②非ベンゾジアゼピン系睡眠薬があることを説明しました。ベンゾジアゼピン系のお薬の副作用には依存・耐性・健忘・持ち越しなど高齢者には困る副作用があることを記載しました。これら副作用をなくすお薬の開発に取り組みました。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の章で説明しましたが、脳内にはGABAというリラックスする作用の物質があります。簡単に説明するとベンゾジアゼピン系睡眠薬はこのGABA の働きを強くします。そのため以下に示す4つの作用を呈します。

 

副作用を抑えるために開発した非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はこれら作用の内①の催眠作用だけに効果が見られ、②③④の作用は起こしにくい睡眠薬なのです。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の利点

 

上記②③④がないことから考えるとメリットは

 

①睡眠が深い

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は睡眠を浅くするといいますが、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は睡眠が深くなるようです。

 

②依存や耐性が少ない

長期間の使用をしても依存や耐性が少ないと言われています。ただし、医師の指示を守らない服用法を行ったり乱用やアルコールとの併用など間違った使用法を続ければ依存や耐性は生じます。

 

③筋弛緩作用が少ない

翌朝のふらつきが少ないことです。ベンゾジアゼピン系睡眠薬が翌朝ふらつくのは筋弛緩作用があるからです。筋弛緩作用が少ないため翌朝のふらつきが少なくなりました。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の欠点

 

 

①種類が少なく超短時間作用型のみ

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は種類が豊富で超短時間作用型から短時間作用型、中間型、長時間型と効果の持続時間が様々な種類が存在し選択肢が多くありました。しかし非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はマイスリー・アモバン・ルネスタと3種類しか存在しません。そしてそれら全てが超短時間型です。選択肢が少ないデメリットがあります。

 

②健忘

超短時間作用型の睡眠薬ですので健忘の副作用があります。

種類

3種類の睡眠薬があります。マイスリー・アモバン・ルネスタです。

全て超短時間作用型ですので入眠障害に用いるお薬です。そして健忘の副作用に注意します。それぞれのお薬の特徴をまとめました。メリットは①持ち越し、ふらつきがない②依存、耐性が少ない③睡眠が深い デメリットは①種類が少なく全て超短時間型②健忘が共通項目ですが、3種類の中にも少しずつ特徴があります。

 

(作用時間)

ルネスタ>アモバン>マイスリーの順に長いです。マイスリー、アモバンは2,3時間の作用時間ですので入眠障害にしか用いませんがルネスタは4.5時間の効果があるので中途覚醒にも使用できます。

 

(薬の強さ)

マイスリー>アモバン>ルネスタの順に強いです。よってマイスリーに効果を感じる方が多いです。

 

(抗不安作用)

ベンゾジアゼピン受容体ω1とω2とω3が存在します。ω1は小脳に多く催眠に作用します。ω2は脊髄に多く筋弛緩作用、抗不安作用を有します。ω3は腎臓に多く、あまり関係しておりません。ベンゾジアゼピン系睡眠薬はω1ω2両方に作用するのに対し、非ベンゾジアゼピン系の3つはω1の受容体にしか作用しません。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリーとベンゾジアゼピン系長時間型睡眠薬のドラールはω1受容体の選択性が認められており、筋弛緩作用が少ないためふらつきを起こさない一方で抗不安作用を有さないので不安や焦燥で寝付きの悪い方には効果が弱まります。一方でアモバン、ルネスタはω1ω2両方に作用する(ω1の催眠により効果がありますが)ため非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を不安、焦燥で寝付きの悪い方には向いています。

 

(使い分け)

作用時間の短さから全て入眠障害に向いています。その中でルネスタのみは作用時間が少し長めのお薬のため中途覚醒の睡眠障害にも使用出来ます。

 

(欠点)

欠点は3種類全てのお薬が超短時間作用型の睡眠薬ですので健忘の副作用があります。健忘とは、お薬を内服した後の記憶がなくなってしまうことです。朝起きると記憶にない電話の履歴や外出の跡がみられたりします。アルコールと併用すると更に健忘を生じやすくなります。また3剤の中で、ルネスタは、アモバンの改良型のお薬で親戚同士の関係です。よってこの2つのお薬には似た副作用があります。苦みの問題です。アモバンは1989年に販売されました。アモバンの成分はS体(光学異性体)と呼ばれる部分が催眠効果があることが発見され、そのS体だけを取り出したのが、ルネスタになります。これによってルネスタはアモバンよりは苦味は軽くなっています。