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脳疾患を知る

6-2
ベンゾジアゼピン系睡眠薬  各論

不眠のタイプ

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は多くの種類が販売されていることを記載しました。それによって使い分けをしている事も説明しました。さてベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類の説明の前に一度睡眠薬の使い分けについて触れたいと思います。そもそも不眠の方はどのような不眠に悩まされて病院に受診するのでしょうか?

 

これらが多い睡眠障害でしょうか。これら症状に合ったお薬を選択する事が不眠治療です。さてベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類が多い事がメリットでしたが、作用時間、効果の持続時間の長さが様々なタイプが存在します。作用時間が1.2時間しか効かない非常に短いものから作用時間が20時間を超えるような長いものまで様々です。これらをどのように使用するかというと「なかなか寝付けない入眠障害」のタイプならば寝付くまで効果があれば寝付く事が出来るので作用時間が短いもので良くなります。「すぐに目覚めてしまう途中覚醒」や「早朝まだ寝ていたい時間に目覚めてしまう早朝覚醒」のタイプですと逆に効果が長時間持続する作用時間の長い睡眠薬を使用します。この作用時間は非常に重要で、睡眠障害のタイプに合った使い分けから後述するベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用の内容でも作用時間によって副作用が異なります。ですのでベンゾジアゼピン系睡眠薬を使用する際には使い分け同様に、必ず作用時間による副作用とその対策を患者さんに伝えなければなりません。

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類

上述の説明通り、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は作用時間によって以下4種類に分類されます。

 

超短時間型 短時間型

薬の効果が認められる時間は数時間ですが即効性が期待できます。効果時間が短いため翌朝の持ち越し作用はありません。スッキリ眠れる分、徐々に耐性が形成され同僚の薬では効果が感じにくくなり、薬がないと以前よりも更に眠れず不安も強くなります。

 

中間型 長時間型

薬の効果が認められる時間は長いので翌朝のふらつきなど持ち越しが問題となります。薬に即効性がなく1週間ほど飲み続けてジワジワ効果が得られます。その分耐性や依存は生じにくいです。

 

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の薬

 

副作用への対応

さてこれら副作用が出現したときの対応を考えましょう。

 

①健忘

内服した後に記憶がない状態で色々なことをやらかします。内服したらすぐにベッドに入りましょう。またアルコールとは絶対に一緒に内服しないで下さい。

 

②依存・耐性

アルコールとは一緒に内服しないようにしましょう。依存性の低いタイプの睡眠薬から使います。また不眠が長期間続き、長期の内服が必要な場合は他剤に徐々に切り替えていく必要があります。

 

③ふらつき

筋弛緩作用の少ないものから順に使用します。また高齢者は転倒の危険があるので筋弛緩作用が強い薬はなるべく避けましょう。

 

④持ち越し

持ち越しが強いと日常生活に支障を来します。また高齢者には転倒の危険性が増します。そのため持ち越しが認められた場合は、減量もしくは短時間型への切り替えが必要になります。

 

⑤認知機能低下

もの忘れが進行することです。通常高齢者に起こりやすい症状です。ふらつきことを考えると、高齢者の方にベンゾジアゼピン系睡眠薬はあまり向いていないお薬です。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、ロゼレム、ベルソムラ、デエビゴ、抗うつ薬などから選択するのがいいかもしれません。