眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

6-3
小児慢性難治性頭痛

概念

小児・思春期の頭痛は、様々な理由で「難治」「慢性化」しやすいです。また様々な心理的要因や生活習慣、併存症から小児に特徴的な病態が存在し診断に難渋することもあります。この章ではいくつかの小児特有の頭痛について触れたいと思います。

 

起立性調節障害

(概要)

起立性調節障害は、思春期に好発する自律神経機能不全の一つです。

 

  • 朝の目覚めが悪く、遅刻が多い
  • 目が覚めても頭痛や腹痛がする
  • 起きてから時間が経たないと活動が出来ず食事を取るのにも時間がかかる
  • 午前中は気分が優れず、午後になると元気が出てくる
  • たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴う

学童期のお子様に上記のような症状がみられた場合、「起立性調節障害」という病気の可能性があります。起立性調節障害は季節天候の変化、ストレス等が影響を及ぼします。小学校高学年、中学生の発症頻度が高く、重症の起立性調節障害では自律神経による上半身、脳への血流低下が障害され、遅刻や欠席が増え不登校になることもあります。そのため発症早期から適切な治療と家庭生活や学校生活における環境調整を行うことが不可欠です。

(症状)

起立時に脳血流が低下するために、立ちくらみ・めまい・ふらつき、起床困難、頭痛、倦怠感があり、さらに動悸、腹痛、時には失神発作を起こしてしまうこともあります。症状は午前中に強く午後には軽減し、夜には元気になり、スマホやテレビを楽しむことができるようになる傾向があります。また立位や座位で増強し、臥位にて軽減します。多彩な症状のため診断がつかず、午後や夜には元気になることから「怠け病・詐病」と捉えられる場合もあります。

(診断方法)

立ちくらみ、失神、気分不良、朝起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどのうち、3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います。

その後「10分以上臥床の後、安静時の血圧・脈拍を測定し、起立後の血圧低下からの回復時間、その後10分後まで血圧・脈拍を測定する」新起立試験等によって行います。

(治療)

1)疾病教育
先述したような理由から「怠け癖・詐病」「ゲーム中毒」「夜更かし」などが原因だと考えて、叱責したりして、親子関係が悪化することが見られます。起立性調節障害は病気という理解を促すことが重要です。

2)日常生活の工夫

治療としては、薬物療法では効果が見込めない場合が多いため、まずは日常生活の改善から取り組みます。

 

  1. 起立するときは頭を下げてゆっくりと起立する
  2. できるだけ長時間の起立は避ける
  3. 毎日30分程度のウォーキングを行う
  4. 1日あたり2L前後の水分と塩分10gを摂る
  5. 夜は元気になったとしても、早めの就寝を心がける

3)薬物療法
薬物療法だけでは効果は少ないですが、非薬物療法を行ったうえでミドドリン塩酸塩などを使用します。

(経過)

日常生活に支障のない軽症例では、2~3ヶ月で改善します。学校を長期欠席する重症例では社会復帰に2~3年以上を要します。

不登校のからむ慢性連日性頭痛

「不登校」の定義は年間欠席日数が30日以上のことを指します。不登校のからむ慢性連日性頭痛の特徴は起床時からの頭痛が連日しておこります。急性期治療や予防的治療に抵抗性です。好発年齢は中学1年から高校1年に多く、適応障害や不安症候群、うつ病などの精神疾患の共存が多いです。頭痛のタイプは片頭痛+慢性緊張型頭痛または慢性緊張型頭痛が多いです。先述したとおり薬物療法には抵抗性のため、心理サポートが重要になります。具体的には親には焦らないで、子供の成長を待つ姿勢が大切であることを伝え登校を第一目標にはしないことです。学校に明らかなストレスがある場合には、「一定期間の登校禁止命令」を出すこともあります。ただし登校禁止の時期は家で可能な限り、規則正しい生活を行わせ、頭痛があってもやれることはやらせます。時には児童精神科、心療内科の併診を要する場合もあります。

発育障害と頭痛

発育障害とは、自閉症・注意欠如・多動症・限局性学習症(学習障害)などを含む幅広い概念を指します。発達障害は脳の発達の違いによるものであると考えられており、ストレスなどによる可逆性の心理的変調ではありません。原因不明のことがほとんどです。

 

  • 「視線が合わない、仮に合っても違和感がある」
  • 「表情が乏しい」
  • 「名前を呼んでも振り向かない」
  • 「人見知りしない」
  • 「ひとりごとが多い」
  • 「一人遊びが多い」

などが疑われるポイントです。周囲に理解してもらいにくく、身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、チックなど)、精神症状(不安、うつ、緊張、興奮しやすさなど)、不登校やひきこもり、暴言・暴力、自傷行為などの「二次的な問題(二次障害)」を引き起こしやすいといわれています。頭痛に関しては片頭痛、緊張型頭痛が多いと言われています。頭痛の特徴は①特徴が薄く、本人が上手に説明できない②生活改善などの指導が守れず、服薬コンプライアンスが低い③頭痛ダイアリーなど続かない④受診も不定期など特徴が見られます。頭痛に対して質問しても「いつもと同じ。毎日痛い」と回答することが多いです。酷い頭痛と訴える割には食事やスマホには熱中出来ます。

ブルーライトに関連した頭痛

ブルーライトとはその名のとおり青色の光のことを言います。目で見える光を可視光線と言いますが、7色の青から赤にかけての様々な光が混ざり合って白色を作り出しているのです。そして、目で見ることのできる光の中でブルーライトは波長が380~500nm(ナノメートル:ミリメートルの1,000分の1)と最も短く、散乱しやすいと考えられています。このブルーライトがスマートフォン、パソコン、ゲーム、テレビ、照明に広く使用されています。ブルーライトは先述したように太陽の光の中にも含まれます。夜間にスマホやパソコンを長時間見ていると、脳は「陽が登った」と勘違いし、ホルモン分泌を開始し人体のリズムを崩します。このようにしてサーカディアンリズムが狂い、昼夜逆転、登校不可、うつ、片頭痛、緊張型頭痛を引き起こす原因となります。