眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

6-1
小児片頭痛

特徴

頭痛が突然起き、短時間に回復することが多いです。突発的で短時間です。国際頭痛分類第3版において成人の診断基準は4時間-72時間の規定ですが、小児の場合は2時間から72時間と短い時間に規定されています。(国際頭痛分類第2版では1時間から72時間の規定でした)元気だった子が突然ぐったりしたり、突然元に戻ったりします。成人は片側性の頭痛が多いですが、小児および思春期(18歳未満)の頭痛は成人と比較して両側性のことが多いです。子供は真ん中と表現することが多いです。成人片頭痛の痛みの特徴は拍動性(ズキン・ズキンとした)の事が多いです。一方、小児の片頭痛の痛みは頭全体を締め付けるような痛みであったり、はっきりしない例、うまく表現出来ないケースも多く、頭痛の性状にこだわらない方がいいケースも多い。悪心・嘔吐・腹痛などを伴う事が多いです。通常、前頭部痛です。小児が後頭部痛を訴えるケースは稀であり、診断上慎重を要します。小児の光過敏、音過敏、臭い過敏は行動から推測できます。朝に起こりやすく、寝不足、過剰睡眠、疲労に影響されます。血縁者(特に母親)に頭痛持ちの方がいるケースが多いです。脳底型片頭痛の比率が高く、前兆や随伴症状に『めまい』『ふらつき』を訴えるケースがあります。就学前は腹痛・嘔吐で現れる事が多く、小学生は『めまい』『車酔い』の症状が随伴される事が多いです。

・突発的で短時間2-72時間(成人は4-72時間)

・成人より両側性が多い

・成人より締め付けられる痛みが多い

・悪心・嘔吐・腹痛などを伴う事が多い

・脳底型片頭痛の比率が高い

・後頭部痛は稀なので必ず二次性チェック

治療 -急性期治療-

小児頭痛の急性期第一選択薬はアセトアミノフェン(カロナール)とイブプロフェン(ブルフェン)になります。

  • アセトアミノフェン

個々のお薬については成人の片頭痛急性期治療薬の説明に記載していますので詳しく知りたい方はそちらもご参考にして下さい。アセトアミノフェンは軽度-中等度の片頭痛発作に対しては効果を示し、制吐剤との併用投与が勧められているお薬です。実績のある安全性の高い解熱鎮痛薬で、NSAIDsに比べ、効果はゆるやかですが、副作用が少なく長期の使用も比較的安全です。激しい痛みには不向きかもしれませんが、軽度から中等度の広範な痛みに適用可能です。体重1キロ当たり1回10−15mgを使用しています。使用間隔は4−6時間として、1日の総使用量は60mg/kgを限度としています。

 

  • イブプロフェン

小児のNSAIDs投与に関しては慎重を要します。サリチル酸系のNSAIDs・アスピリンはライ症候群という病気と関係します。ライ症候群とは小児のウイルス性感染において発症する急性脳症(嘔吐、意識障害、痙攣など)と肝臓変性を主症状とする病気です。発症直前にサリチル酸系NSAIDs・アスピリンを投与されている事が少なくありませんでした。そのため昭和57年からの調査結果を踏まえ、平成10年に厚生労働省から小児の水痘・インフルエンザの患者に対するアスピリン投与を禁忌とする措置が出されました。他のNSAIDs・ジクロフェナク(ボルタレン)も投与を禁止されています。イブプロフェンもNSAIDsですが、アセトアミノフェンの効果がない場合に使用されます。イブプロフェンは欧米でも小児に使用が認められています。しかし,2001年6月、日本小児科学会はインフルエンザの発熱には非ステロイド系解熱剤の使用を控えるように勧告を出しました。インフルエンザの発熱には使用しない方がよいでしょう。注意してほしい点として病院やクリニックで処方されるイブプロフェンは5歳から服用可能ですが、OCT薬は15歳未満の小児には禁止されています。本剤の添付文章によれば、イブプロフェンとして、小児は、5~7歳 1日量 200~300mg、 8~10歳 1日量 300~400mg、 11~15歳 1日量 400~600mg を3回に分けて経口投与するとなっています。

  • トリプタン

有効性が証明されているのは8歳以上の小児で使用するスマトリプタンの点鼻薬投与のみです。それ以外はまだ証明されていません。経口リザトリプタンは思春期に使用した結果、効果ははっきりしなかったが、許容されたと報告されております。しかしトリプタンの内服が有効であった報告は相次いでおり、特別な副作用も報告されていません。よってアセトアミノフェン・イブプロフェンで効果が得られないケースでは使用を検討します。8歳ー12歳・体重25キロー40キロの小児には成人の半分の量が投与されます。12歳以上・体重40キロ以上の小児には成人と同じ量が投与されます。

 

第一選択薬アセトアミノフェン10-15mg/kg

第二選択薬イブプロフェン

アスピリンは使用できない

8歳以上のスマトリプタン点鼻のみ有効性証明

他トリプタンも有害事象報告なし

トリプタン:8歳-12歳・体重25キロ-40キロの小児には半量

トリプタン:12歳以上・体重40キロ以上の小児には成人と同量

 

 

治療 -予防療法-

小児の片頭痛に対する予防治療に関して、確立された考え方はありません。しかし経験的には有効と考えられています。報告例において、年長児ではトリプタノール、年少児ではシプロヘプタジンがよく使用されています。

10歳以下で肥満が問題にならない児童にはシプロヘプタジンの就寝前1-4mg投与が有効です。眠気の副作用がありますので、注意を要します。

10歳以上の児童にはシプロヘプタジン0.2mg/kg/日分1または分2 ・アミトリプチリン10mgまたは1mg/kg/日・プロプラノロール1-2mg/kg/日(喘息に注意)

そして15歳を超えると塩酸ロメリジンを使用できます。それぞれの予防薬につきましては、成人の片頭痛の予防薬で詳しく述べました。

10歳以下(非肥満時):シプロヘプタジン就寝前1-4mg投与

10歳以上:シプロヘプタジン0.2mg/kg/日分2・アミトリプチリン10mgまたは1mg/kg/日・プロプラノロール1-2mg/kg/日(喘息に注意)

15歳以上:塩酸ロメリジン