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脳疾患を知る

10-4
脳血管性認知症ー分類ー

NINDS-AIRENはさらに病型分類として「多発梗塞性」「単一病変性」・「小血管病変性」・「低還流性」・「脳出血性」の 5つに分類しています。

多発梗塞性

皮質型血管性認知症とも呼ばれていてます。大脳皮質領域(脳表面に近い部分)を中心に大小の梗塞が多発する「多発梗塞性認知症」です。 脳の梗塞体積が全体の約4%以上を占めるようになると、認知症の発症につながります。脳の比較的太い血管がが心原性塞栓症,アテローム血栓性梗塞により閉塞し、脳梗塞が多発することにより認知症が発症するタイプです。

心原性脳塞栓症について詳しくはhttps://kuwana-sc.com/brain/502/をご覧下さい。

アテローム血栓性脳梗塞について詳しくはhttps://kuwana-sc.com/brain/513/をご覧下さい。

小血管病変性

皮質下血管性認知症とも呼ばれています。小血管とは上述の多発梗塞性の原因である大血管と対比します。大血管は心臓から頚、そして頭蓋内においてもMRIなどで確認が可能な太い血管ですが、脳小血管病は「通常の画像検査では可視化できないような小血管が原因と考えられる脳実質病変」と定義されています。認知症を引き起こす脳小血管病に含まれる主な疾患は、多発性ラクナ梗塞、Binswanger病、出血性の脳アミロイド血管症(CAA)の 3つです。

 

多発性ラクナ梗塞・・・加齢、高血圧、糖尿病などを主要な危険因子とし、ラクナ梗塞を白質や視床に多発した状態を言います。白質病変が高度になると認知症を発症します。
ラクナ梗塞について詳しくはhttps://kuwana-sc.com/brain/523/をご覧下さい。

Binswanger病・・・大脳白質の虚血が原因とされる広範なびまん性の白質病変と併存するラクナ梗塞が原因となって白質線維連絡の障害により認知症が発症すると言われています。緩徐に進行しますが、遂行機能障害、うつ、感情失禁が主症状で記憶障害は比較的軽度です。

単一病変性

人の認知機能に関連する重要な部分に限局して血管障害が起こった結果、生じる認知症です。具体的には海馬、視床、角回、帯状回、脳弓、尾状核、淡蒼球、内包膝部等で記憶障害、意欲低下、せん妄などで発症します。時間経過 とともに改善する場合もあります。

低潅流性認知症

心停止や高度の血圧低下などによって脳に血流が行き渡らず発症する認知症です。

脳出血性認知症

脳内出血、くも膜下出血が原因となって発症する認知症です。出血によって破壊される脳の場所によって現れる症状は千差万別です。