13-4
未破裂脳動脈瘤
未破裂脳動脈瘤が頭痛を引き起こすことはあまりないのですが、当院では頭痛を主訴に来院し偶発的に未破裂脳動脈瘤が発見されることが多いですので「頭痛」の章に未破裂脳動脈瘤を設けました。
未破裂動脈瘤に関しましては、当サイトのー脳卒中と生活習慣病ーの[未破裂脳動脈瘤]の章に記載しております。以下のURLをクリックしますとの生活習慣病の章に移ります。その中で[未破裂動脈瘤]を選択して下さい。
https://kuwana-sc.com/brain/category/stroke/
さて未破裂動脈瘤の詳細な解説は上記に記されておりますが、ICHD-3では「未破裂嚢状動脈瘤による頭痛」もカテゴリー化されています。
(診断基準)
A(C)を満たす新規の頭痛
B未破裂動脈瘤と診断されている
C原因となる証拠として、以下のうち少なくとも2項目が示されている
1.頭痛は未破裂動脈瘤の他の臨床症候と時期的に一致して発現した。
また頭痛がその診断の契機となった。
2.以下の項目のいずれかまたは両者を満たす
a)頭痛は嚢状動脈瘤の他の症状、臨床的または放射線学的徴候と並行して有意に悪化した
B)頭痛は嚢状動脈瘤の治療後に消失した
3.以下の項目のいずれかまたは両方を満たす
a)頭痛は突然または雷鳴性の発現をする
b)頭痛は第III脳神経麻痺を伴う
D.他に最適なICHD-3の診断がない
脳動脈瘤は通常破裂してくも膜下出血を引き起こせば、激烈な頭痛を生じるため破裂していないにも関わらず頭痛を引き起こすのは不思議な話ですが、未破裂脳動脈瘤の約20%の患者に頭痛の報告がありこの関係が偶然なのか、因果関係があるのかは未解決な状況です。
逆に1つの典型的症候である眼窩後部痛および散瞳を伴う急性第III脳神経麻痺(動眼神経麻痺)は、内頚動脈ー後交通動脈動脈瘤の存在を示唆しており、動脈瘤の切迫破裂あるいは進行性増大のシグナルです。くも膜下出血発症した方の約半数は発症4週間前に突然の激しい頭痛を経験していることが報告されています。この頭痛は「警告頭痛」または「歩哨頭痛」とも言われ、動脈瘤の突然の拡大やくも膜下出血と診断出来ない程度のごく微量の出血とも言われています。