眼科 脳神経外科
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脳疾患を知る

4-2
月経時片頭痛の治療

日常生活の工夫

これは月経時片頭痛に限らない事ですが、頭痛の通発要因を可能な限り取り除く事が重要です。適正な睡眠時間をとる。寝不足は勿論のこと週末の寝過ぎも良くありません。適正な睡眠時間を取り、規則正しい生活を心がけましょう。他にも片頭痛発作の誘因を除去しましょう。寝不足・寝過ぎ・お酒・タバコ・ストレス・柑橘類・チョコレートなど誘因になる要素は取り除きましょう。

急性期治療

月経時片頭痛の治療は片頭痛発作と変わりはありません。軽症ー中等症の発作には鎮痛剤を用い、重症例はトリプタンが治療の中心になります。月経時片頭痛は重症度が高いことが多いため、「慢性頭痛の診療ガイドライン」では急性期治療薬としてトリプタンが推奨されています。

  • スマトリプタン50mg,100mg・ リザトリプタン10mgを推奨

本邦では現在5種類の 経口薬(スマトリプタン〈イミグラン ®〉・ゾルミトリプタン〈ゾーミッグ®〉,エレトリプタン〈レルパックス®〉,リザトリプタン〈マクサルト®〉,ナラトリプタン〈アマージ®)の他にスマトリプタンの点鼻液と皮下注射が使用可能です。臨床現場ではこれらを患者の発作状況に合わせて選択していきます。

(月経時に起こる片頭痛の特徴)

  • 持続時間が長い

  • 再発が起こり易い

  • 治療抵抗性

例えば再発が多い片頭痛患者では血中半減期の長い(つまり効いてる時間が長い)ナラトリプタンを選択します。また痛みが急激に増悪する患者では、 効果出現の早いスマトリプタン点鼻液やリザトリプタンを選択します。嘔吐が激しい患者にはスマトリプタン皮下注射を選択するなど薬を適正に使い分ける必要があります。トリプタン単独では効果が不十分な場合にはトリプタンと非ステロイド抗炎症薬の併用療法を試すこともあります。

短期間予防療法

月経周期と片頭痛発作のおこる時期が確定している場合は、5-7日の短期予防療法を行うこともあります。

  • 半減期の長いナラトリプタン1mgを1日2回投与

  • ナプロキセン550mgを1日2回投与

また強い月経痛を伴う方にはNSAIDsを1日2回短期投与し、片頭痛が起こった場合は早期にスマトリプタンを内服すると言った方法が有効であった報告されています。

一般予防薬療法

発作回数の多い月経関連片頭痛は、通常の片頭痛予防と同じ予防法を行います。しかしながら妊娠の可能性を十分に意識した予防療法が推奨されます。一般的な予防療法は

  • 1 カルシウム拮抗薬
  • 2 抗うつ剤
  • 3 抗痙攣薬
  • 4 βブロッカー
  • 5 アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬・アンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)
  • 6 漢方薬

です。月経関連片頭痛予防の第一選択薬は、安価で副作用が少ないことからカルシウム拮抗薬ロメリジン(ミグシスなど)です。一方『慢性頭痛の診療ガイドライン』でグレードAとして推奨されているバルプロ酸(デパケンなど)は妊娠の可能性を考慮しなければなりません。バルプロ酸はヒト胎児催奇形性や胎内暴露によるIQの低下が示されています。妊娠の可能性がある場合は、片頭痛予防を目的とした投与は容認されません。β遮断薬は心疾患の世界では実績が豊富で、片頭痛の予防薬としても古い歴史を持つお薬です。心不全・喘息・抑うつ状態などβ遮断薬が使用できない状況でない限り使用可能です。また妊婦にやむをえず予防療法をおこ なう場合はプロプラノロールが選択されています。このようにβ遮断薬も喘息、心不全、抑うつ傾向を持たない女性には使用頻度が高いお薬になります。

ピル

『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』には、

  • 「前兆のある片頭痛はエストロゲン含有経口避妊薬は禁忌であり、その他の避妊方法が勧められる」
  • 「前兆のない片頭痛では禁忌ではないが投与にあたり慎重な判断を要し、経過観察が必要である」

と記載されています。片頭痛を持っている人では、ピルを飲んでいる人で脳梗塞の発症が多いとするデータがあります。