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脳疾患を知る

12-3
前頭側頭型認知症ー症状ー

行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)

・無関心、自発性低下

病初期から認められる症状です。自分の関心がある事には興味を示しますが、それ以外の事には無関心になり、自発的に行動することが減ります。身だしなみ、整容を気にしなくなり、入浴や髭剃りなどを行わなくなります。衣服が汚れていても気にならなくなります。他人への関心も乏しくなり、会話もしなくなります。

・常同行動

毎日決まったコースを散歩する常同的周遊(周徊)や同じ時間に同じ行為を毎日行う時刻表的生活が認められます。他にも同じ内容の話を繰り返したり、同じものばかり食べます。常同的周遊するコースに他の人がいると怒り出します。他にも単純な動作をひたすら繰り返す、同じ冗談を繰り返す、もののため込みを繰り返し清潔を保てないなどの儀式的な生活が目立つようになります。

・脱抑制

本能の赴くままに行動します。礼節や社会通念が欠如し、他の人からどう思われるか考えもしません。自己本位的な行動(我が道を行く行動)をとり、万引き、痴漢、放尿などの反社会的行動を呈します。家庭でも妻が病気になろうが、素知らぬ顔でパチンコやゴルフ、夜の街に出かけます。過ちを指摘されても、悪気なくあっけらかんとしています。診察室での対応にも現れます。質問をして分からないと分かっているふりをして取り繕うアルツハイマー型認知症に比べ、前頭側頭型認知症は診察室から退出する立ち去り行動といった形に現れます。

・遂行機能低下

記憶や視空間認知能力が保たれているにも関わらず、遂行機能が低下します。目的に対して計画を立てて実行する能力が低下すします。特にこの疾患は若年発症が多いため、記憶障害が認められないが仕事としての実行機能が低下、更に深刻味がなく我が道を行く行動のため周囲は戸惑うケースに発展する場合が多いです。

・注意、集中力低下

一つの行為を持続して続けることができない注意障害がみられます。診察中にも現れ、関心がなくなると診察室や検査室から出て行く(立ち去り行動)がみられます。他自発性の低下や関心の喪失などがみられます。

・被影響性の亢進

外的刺激に対して容易に反応してしまいます。相手の言葉をそのまま応える(オウム返し)、相手の動作を真似する、目に入った文字をいちいち読みあげるなどの行動が目立ちます。bvFTDでは意味性認知症とは異なり、語頭音効果による改善がみられます。また繰り返し同じ内容の話をするオルゴール時計症状がみられます。

・感情変化

病初期から感情の変化が乏しくなったり、多幸的であったり焦燥感が強く不機嫌であったり理由なくヘラヘラしたりと変化が激しいです。

・食行動変化

過食となり、濃厚な味付けや甘い物を好むような嗜好の変化がみられます。チョコレートや饅頭、清涼飲料水などを好むことが多いようです。女性の場合は調理が常同的となり、同じメニューの食事ばかり作り家族がこの変化で病気に気づくこともあります。病状が進行すると食べられないものを口に詰め込む行動も出現します。窒息の危険性が高まるため介護上の問題となります。

・病識欠如

自分が病気であることの自覚がありません。

(その他)

・筋萎縮や筋力低下を呈する運動ニューロン疾患を示すことがあります。

・進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核症候群の臨床症状を示すことがあります。

 

意味性認知症(SD)

(意味性失語)

・意味記憶障害

相貌や物品などの同定障害がみられる。

・意味性失語

言葉の意味の理解や物の名前などの知識が選択的に失われる語義失語が出現します。つまり個々の音はしっかり聞き取れるが、言葉の意味が分からないのです。例えば「趣味は何ですか?」と尋ねると「趣味とは何ですか?」と質問されます。他に単語レベルでは復唱は良好ですが、物の名前が言えない語想起障害や複数の物品から指示された物を指すことができない再認障害がみられます。ヒントを出しても答えられません。例えば「携帯電話」を「ケイタイデン」とヒントを出しても答えられません。一方で発語は流暢です。

 

進行性非流暢性失語(PNFA)

進行性非流暢性失語(PNFA)は失語が主たる症状です。その他の認知機能障害を呈することなく病態が進行する神経変性疾患です。Gorno―Tempiniらの定義によれば

①言語の困難さが最も顕著な症状

②失語が日常生活における障害の主たる要因

③失語が初発症状

の3つの基準を満たす必要があります。

認知機能障害として,病初期に顕著なエピソード記憶障害を呈するアルツハイマー病や性格異常や行動障害が主症状の前頭側頭型認知症とは対照的です。この失語では、発話における失文法と、不規則な音韻の誤りや歪みを特徴とする発語失行が特徴です。失文法とは文を構造化出来ません。「僕、、、仕事、、、会社、、、駄目」など構造が崩れています。発語失行とはたどたどしい努力性の発語です。

単語の理解は可能ですが、複雑な文は理解できません。

当院は静岡県伊豆半島に開院した脳神経外科専門医・眼科専門医・脳卒中専門医・頭痛専門医・認知症専門医が常勤しているクリニックとなります。一般的な眼科・脳神経外科・内科などの外来はもちろん、頭痛外来・もの忘れ外来などの専門外来も常時受け付けております。眼科は白内障や眼瞼下垂、硝子体の手術を行っております。脳神経外科で手術が必要な場合は昭和大学脳神経外科、順天堂大学脳神経外科、その他ご希望の病院と提携し紹介させて頂いております。駿東郡・清水町・三島市・沼津市・長泉町・伊豆の国市・函南町・裾野市・熱海市・伊東市・伊豆市・小山町の方々から遠方の方々まで、気になることがございましたらいつでもご相談下さい。