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その他
肥満
肥満の方の高血圧については、降圧剤をいきなり開始するのではなく食事療法や運動療法による 3%以上の減量で有意な降圧効果が期待されます。まずは降圧剤開始に減量を試す必要があります。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームの降圧薬の選択は内臓脂肪型肥満の是正やインスリン抵抗性改善に対する配慮・糖尿病発症に対する配慮から、ARB・ACE 阻害薬が推奨されています。
痛風・高尿酸血症
①血清尿酸値7.0 mg/dL以上:摂取エネルギーの適正化による肥満の是正・プリン体・果糖の摂取制限・飲酒制限・習慣的な有酸素運動などの生活指導を開始します。
②高血圧患者で血清尿酸値が8.0 mg/dL以上:尿酸降下薬の開始を考慮します。
③降圧薬の使用に際しては,尿酸代謝に好ましい降圧剤を選択します。利尿薬(サイアザイド系,ループ) β遮断薬は尿酸値を上昇させるので、使用する場合は、血清尿酸値の推移に注意が必要です。Ca拮抗薬・ARB・ACE阻害薬は尿酸代謝に悪影響を及ぼしません。ロサルタンは尿酸排泄促進作用を有するため尿酸値を低下させます。Ca 拮抗薬とロサルタンは高血圧患者の痛風発症リスクを減少さます。
気管支喘息
①気管支喘息を伴う高血圧患者は、β遮断薬およびαβ遮断薬は使用してはいけません。
②ACE阻害薬は空咳の副作用があるため、気管支喘息を伴う高血圧患者では推奨できません。
③気管支喘息を伴う高血圧患者に対して、Ca 拮抗薬・ARB・少量の利尿薬は使用可能です。