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妊娠
メチルドパ(アルドメット)
現在、妊娠以外では使われることはほぼありません。安全性が高く、肝機能障害と溶血以外の副作用がないため妊娠中の高血圧には第一選択薬となります。母乳移行も少ないため授乳時の使用も可能です。
妊娠中高血圧の考え方
①妊娠時に高血圧(140/90mmHg以上)を認めた場合、妊娠高血圧症候群と考えます。
②妊娠20週未満の高血圧(高血圧合併妊娠) では第一選択薬としてメチルドパ・ラベタロールが推奨されています。20週以降では他に選択する薬剤がない場合、十分な説明と同意のもとニフェジピンも使用可能です。
③妊娠高血圧は上記3剤にヒドララジンを加えた4剤が第一選択薬となります。 ニフェジピンは,20週目以降の妊婦に対して有益性が認められていますが、長時間作用型の使用が基本で、カプセル製剤 の舌下投与は行わないほうがいいでしょう。
④妊娠高血圧では収縮期血圧 ≧180 mmHgあるいは拡張期血圧 ≧120 mmHgの場合に速やかに降圧治療を開始します。緊急に降圧が必要な場合はニカルジピンなどの静注薬を用います。
⑤子癇もしくは子癇の懸念がある場合はMgSO4を投与します。
⑥妊婦に対しては ACE 阻害薬、ARB、直接的レニン阻害薬は禁忌です。